ウルソ原薬製造事業をICEに譲渡  田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬およびAPIC(本社:東京都)は、田辺三菱製薬が販売するウルソ製剤の原薬製造事業をICE(本社:イタリアエミリア市)に、2022年5月2日(予定)に譲渡することで合意した。
 現在、ウルソ製剤の原薬は、田辺三菱製薬が主に土地、建物および主な製造設備を保有するAPICいわき工場で、APICが生産を受託する形式で製造されている。
 だが、後発品の影響等によりウルソ製剤のシェアが低迷する状況にあり、コスト構造の抜本的な対応が急務となっていた。田辺三菱製薬およびAPICは、ウルソ原薬を製造するAPICいわき工場の稼働率の向上をめざし複数の方策を検討してきた。
 こうした中、原材料の調達から原薬であるウルソデオキシコール酸(UDCA)の製造までUDCAのバリューチェーンを有するグローバル企業であるICEからAPICいわき工場譲渡について申し入れを受け、今般、3社交渉を経て合意に達した。
 ICEは、当該工場で引き続きUDCAを受託生産し、田辺三菱製薬へ供給することになる。今回の事業譲渡は、長年にわたり高品質および高純度のUDCAをグローバルに安定的に製造してきたAPICいわき工場の技術力を活かすとともに、今後も安定的なウルソ製剤の供給を可能とする。
 今後の譲渡スケジュールは、本年11月末に、田辺三菱製薬が特別目的会社を設立。2022年5月2日(予定)に、田辺三菱製薬が有するAPICいわき工場の資産およびAPICが有する棚卸資産、負債、雇用契約を含む関連する契約および権利義務などウルソ原薬製造に係るすべての医薬品製造事業を、会社分割により特別目的会社に承継の上、田辺三菱製薬が保有する特別目的会社の全株式をICEに譲渡する。

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