田辺三菱製薬と三菱ケミカルエンジニアリングは21日、「固形製剤の連続生産システム構築に向けた取り組み」により、第21回製剤機械技術学会仲井賞を受賞し、10月15日に開催された製剤機械技術学会第31回大会(オンライン)で授与されと発表した。
「製剤機械技術学会仲井賞」は、製剤機械の進歩・発展に広く貢献した個人またはグループの功績をたたえるため、製剤機械技術学会が、初代会長の仲井由宣先生の名を冠して表彰している賞で、毎年1件決定される。
今回の「固形製剤の連続生産システム構築に向けた取り組み」は、三菱ケミカルホールディングスグループのシナジー創出の一環として、2015年から田辺三菱製薬と三菱ケミカルエンジニアリングの両社間の医薬品製造における連続生産の検討によって生まれた技術である。
授賞理由となった「湿式造粒による錠剤の連続生産システムの構築」は、特に連続化が困難とされており、その実現に向けて、田辺三菱製薬の「製剤技術」と三菱ケミカルエンジニアリングの「エンジニアリング技術」の連携・融合により成し遂げられたことが高く評価されたもの。
医薬品製造においては、バッチ生産が主流となっている。近年では、様々な技術革新によって医薬品の連続生産の取り組みが注目されている。連続生産では、プロセス解析工学(PAT)等と組み合わせることで信頼性の高い品質の医薬品製造が可能となるほか、稼働時間の変更により生産量の調整が可能となるため、装置サイズの変更のためのスケールアップ検討が不要で、検討に必要な原薬の低減が期待できる。
また、設備の縮小による省スペース化により、エネルギー消費量の削減など環境負荷の低減も期待できる。
両社では、今後も引き続き、固形製剤の連続生産システムの実用化に向けて取り組んでいく。