間質性肺疾患と肺線維症の認知度は58%と35%
日本ベーリンガーインゲルハイムは21日、膠原病患者200 名を対象に、膠原病に伴う肺疾患に関する意識調査を実施し、その結果を公表した。
同調査から、新型コロナウイルス感染症の拡大により、膠原病患者の 71%が、呼吸器疾患への関心を高めていることが判明した。また、呼吸器疾患のうち、肺炎、喘息、肺がん等は9割程度の患者が知っていると回答した一方、間質性肺疾患は58%、肺線維症は35%と低い結果であった。
間質性肺疾患や肺線維症を知っていると回答した患者のうち72%は、膠原病に伴う間質性肺疾患および肺線維症の病態を知っていると回答した。だが、その一方で病勢が進行した際の薬剤以外の治療の必要性についての認知度は27%であった。
膠原病患者においては、その合併症の病態を知っていたとしても、重症化などの深刻な予後のリスクまで認識できていない可能性が、同調査の結果から明らかになったた。
膠原病の合併症に対する情報に関しては、65%の患者が高い関心を持っていると回答し、71%の患者が深く理解したいと考えていると回答した。
一方、膠原病の合併症に関する情報が十分に得られていると答えた患者は 31%に留まった。また、病気や治療の情報入手先については、医師から直接情報を得ていると回答した患者が最も多く(52%)、その他には、医師や病院からもらう患者さん向け資料から情報を得ている(40%)との回答が多く、自ら病院・クリニックのウェブサイト(41%)や一般のニュースサイトなどから情報を取っている患者(35%)も居ることが判った。
膠原病患者意識調査結果の概要は、次の通り。
こうした結果から、日本ベーリンガーインゲルハイムは、今後も医療従事者や医療機関が患者に適切な情報を提供できるようサポートするとともに、自ら情報を得たいと望む膠原病患者が、正しい知識を習得できるような機会の創出に尽力していく。
日本ベーリンガーインゲルハイムは、膠原病に伴う肺疾患に対する課題とその解消のための各種啓発活動を行っている。9月の肺線維症月間を起点に、膠原病の合併症である間質性肺疾患や肺線維症を啓発する活動も展開していく。
◆同調査監修の川口鎮司氏(東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学講座臨床教授)のコメント
本調査の結果から、間質性肺疾患や肺線維症に関する正しい情報を、引き続き、膠原病患者さんにお伝えしていくことが重要だと改めて感じた。
患者さんが膠原病の合併症を正しく理解することにより、肺や呼吸器に違和感を持った時、自ら合併症を疑い受診するという行動へと繋がっていくことを願いたい。そのような患者さんの行動が、膠原病に伴う肺疾患の早期発見・早期治療へと結びつけば、膠原病の呼吸器合併症からくる予後の重症化リスクを減らす手助けにもなるだろう。