大阪府薬剤師会は13日、Webで定例記者会見を実施し、乾英夫会長が、新型コロナ感染症‟第5波”において自宅療養の患者が急増していることに言及。「それに伴う院外処方箋は‟第4波”と同様に掛かり付け薬剤師・薬局で対応し、必要な医薬品を的確に患者宅まで供給している」と改めて強調した。
また、小林加工の不祥事による出荷停止処分に端を発した保険薬局における医療用医薬品不足の現況確認についても「9月13日より25日まで会員薬局に対してアンケート調査を行い、10月に調査結果を出して、日本薬剤師会や厚労省、関係諸団体に報告する」スケジュールを明示し、「何とか解決できるように国に動いてほしい」と訴えかけた。
新型コロナ感染症自宅療養患者の院外処方箋は、‟第4波”と同様に、掛かり付け薬剤師・薬局で対応して、服薬指導した後に患者宅まで置き配で届けている。
一方、掛かり付け薬剤師・薬局を持たない自宅療養患者の院外処方箋については、昨年12月に手上げした大阪府下約1730軒の保険薬局がこちらも‟第4波”と同様に保健所からの電話依頼を受けて応需し、当該患者に処方薬を届けている。
今年度より実施された薬剤交付支援事業により、薬局が直接新型コロナに感染した患者宅まで医薬品を届けた場合、500円の補助金を受けられる。定例会見では、「その補助金が、9月から3000円に増額された」(乾氏)ことも併せて報告された。
また、ホテルなどの宿泊療養所に入所した新型コロナ感染症患者の院外処方箋も、基本的に掛かり付け薬剤師・薬局で対応している。だが、掛かり付け薬剤師・薬局を持たない入所患者については、8月10日よりオンライン診療を受けた後の院外処方箋を大阪府薬会営中央薬局、およびその他3薬局で対応している。中央薬局での応需処方箋枚数は、50~100枚/日程度。
乾氏は、「大阪府との擦り合わせにより、混乱を避けるため、現在、その殆どを会営中央薬局で対応している」とこれまでの経緯を説明。その上で、「大阪でもピークが過ぎて患者数が落ち着いてきた。今後は、できるだけ早い段階で、宿泊療養所のある地元薬剤師会で対応をお願いしていく」考えを示した。
後発品メーカーの小林加工や日医工の不祥事による製品回収や、沢井薬品の出荷調整などの影響を受けた医療用医薬品不足は、後発品と同薬効の先発品不足にまで影響を及ぼし、より深刻化を増している。
こうした中、大阪府薬では全会員薬局を対象に13日から25日までの期間、医療用医薬品不足に関するアンケート調査を実施する。
道明雅代副会長は、「アンケート調査内容は、既に調査を開始している東京都薬や千葉県薬の調査結果と比較できるように同様にしている」と明かす。設問の具体的な内容は、「どのような薬剤が不足しているか」、「品目数」、「患者の反応」、「流通・供給に対する率直な意見」などを問うもので、14問で構成されている。
調査結果は、10月に、国、日薬、大阪府、メーカー団体、医師会、歯科医医師会などに報告する予定で、乾氏は「何とか解決できるように国に動いてほしい」と要望する。
また、8月から施行された改正薬機法の中の「薬局における法令順守体制整備」にも言及し、「大阪府薬では、日薬が作成した手引きを元に解説のパワーポイントを作成しており今月中に完成する」と明言。
その上で、「完成したパワーポイントは、YouTubeに上げて、薬剤師の法令順守に寄与したい」と抱負を述べた。
尾島博司大阪府薬剤師連盟会長は、近況の活動状況について「現在、今秋の衆議院選挙に尽力している。それが終わり次第、神谷まさゆき日薬連盟組織内統一候補の対応に本格的に取り掛かかる」と断言。
自民党総裁選にも触れ、「薬剤師代表の藤井基之参議院議員が所属する宏池会の岸田氏が立候補するが、基本的に薬剤師の自民党員には自主投票をお願いしている」と述べるに留めた。