武田薬品は10日、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」について日本で「CD30陽性ホジキンリンパ腫」における小児の一次治療に対する用法用量に関する製造販売承認事項一部変更承認を申請したと発表した。
今回の申請は、未治療進行期ホジキンリンパ腫の小児患者さんを対象とし、アドセトリスとAVD(ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)の併用療法における一次治療としての有効性および安全性を評価した国際共同P1/2相試験(C25004試験)の結果に基づくもの。
ホジキンリンパ腫は、悪性リンパ腫の一種で、小児におけるホジキンリンパ腫の年間罹患者数は60人程度と推測されており、悪性リンパ腫のなかでも発生頻度が低い疾患である。
アドセトリスとAVDの併用療法は、成人における標準的な一次治療の一つであり、小児においても有用な治療選択肢として待ち望まれている。
アドセトリスは、世界70ヵ国以上で承認されており、日本では厚生労働省より、2012年3月に「CD30陽性のホジキンリンパ腫および未分化大細胞リンパ腫」を対象として希少疾病用医薬品に指定され、2014年4月に、成人患者における再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び未分化大細胞リンパ腫の治療剤として発売されている。
その後、2018年9月に、成人患者さんにおける未治療のCD30陽性のホジキンリンパ腫の治療剤として承認を取得した。2019年3月には、厚生労働省より「CD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫」を対象として希少疾病用医薬品に指定され、同年12月に成人患者におけるCD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫の治療剤として承認を取得した。
小児においては、2019年12月に再発または難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫および末梢性T細胞リンパ腫に対する治療剤として承認を取得している。