診療所の県政府へ引き渡し完了
塩野義製薬は3日、ケニアの母子支援活動「Mother to Mother SHIONOGI Project」としてナロク県イララマタク地域で推進していた第一期事業を7月31日で終了し、同事業を通じて建設・整備した診療所(Elangata Enterit Health Facility)の県政府へ引き渡したと発表した。
塩野義製薬では、2015年10月に開始したアフリカの母子の健康を支援する「Mother to Mother SHIONOGI Project」として、国際NGOワールド・ビジョンとともに現在ケニア共和国キリフィ県で2020年4月より第二期事業を推進している。 一方、同ケニア共和国ナロク県イララマタク地域において推進していた第一期事業は、本年7月31日に終了し、診療所(Elangata Enterit Health Facility)を県政府へ引き渡した。
同事業では、これまでに診療所や水供給設備の整備、医療従事者への教育指導や保健人材の育成を進めてきた。診療所への来院者数や施設での分娩数が増加しているため、コミュニティにおいて適切なヘルスケアに関する意識の向上と行動が浸透してきたと考えられている。
目標としていた「母子保健活動を自立的かつ持続的に行えるコミュニティの実現」が県政府への診療所の引き渡し完了により達成される見通しが立ったことから、同地域における支援を終了する。
本年6月24日に開催された県政府への引き渡し式では、主賓としてナロク県知事のほか、ナロク県保健省大臣、県政関係者、長崎大学ケニア中央医学研究所(KEMRI)拠点代表も出席。
ナロク県知事からは診療所の格上げ、医薬品・人員の拡充、道路の整備などが公約され、これらは診療所が地域コミュニティにおいて持続的に運営されるための鍵になると考えられる。
なお、同プロジェクトは、前述の通りケニア共和国キリフィ県で2020年4月より第二期事業を推進しており、引き続きケニアにおける医療アクセスの向上・母子保健に貢献していく。