小野薬品は2日、オプジーボについて欧州委員会(EC)が、食道がんまたは胃食道接合部がんの術後補助療法として承認を取得したと発表した。
対象は、術前補助化学放射線療法(CRT)後に病理学的残存病変を認めた食道がんまたは胃食道接合部(GEJ)がんの成人患者。提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が7月30日に発表したもの。
このECの決定によりオプジーボは、欧州連合の27加盟国をはじめ、アイスランド、リヒテンシュタインおよびノルウェーにおいて、術前補助CRT後に病理学的残存病変を認めた食道がんまたはGEJがんの成人患者の術後補助療法に対する使用が認められる。
本年5月、同剤は、米国FDAよりCRTを受け病理学的残存病変を認めた完全切除後の食道がんまたはGEJがん患者の術後補助療法としての承認を取得している。
今回のECの決定は、術前補助CRTおよび外科的完全切除後のオプジーボによる治療が、プラセボと比較して、全無作為化患者集団において、主要評価項目である無病生存期間(DFS)を2倍に延長したことを示したP3相CheckMate -577試験の結果に基づくもの。
オプジーボの安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験のものと一貫していた。
CheckMate-577試験におけるDFSの中央値は、オプジーボ群で22.4カ月 [95%信頼区間(CI):16.6 – 34.0]、プラセボ群で11.0カ月(95% CI:8.3 – 14.3)であった。
オプジーボ群は、プラセボ群と比較して、再発または死亡リスクを31%低減した [ハザード比(HR)0.69;96.4% CI:0.56 – 0.86;P=0.0003]。
安全性では、グレードを問わない、およびグレード3~4の治療に関連する有害事象(TRAE)の発現率は、オプジーボ群でそれぞれ71%および13%、プラセボ群で46%および6%であった。
グレードを問わない、およびグレード3~4の重篤なTRAEの発現率は、オプジーボ群で10%未満で(グレードを問わない:8%、グレード3~4:6%)、プラセボ群ではそれぞれ3%および1%であった。
グレードを問わない治療に関連する投与中止の割合は、両群で低くなった(オプジーボ群で9%、プラセボ群で3%)。
これらのCheckMate-577試験の結果は、2020年9月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)バーチャル総会 および2021年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表されている。
◆BMS消化器がん領域担当開発責任者のIan M. Waxman(M.D.)氏のコメント
我々は、これまでにがんの早期段階で免疫療法薬を使用することで、特定の患者さんで再発を防げる可能性があることを示してきた。BMSは、メラノーマの患者さんに術後補助療法として免疫チェックポイント阻害薬を届けた最初の会社であり、今回、欧州連合で高いアンメットニーズを有する食道がんおよび胃食道接合部がんの患者さんに初めて術後補助療法を届けられるようになり大変嬉しく思う。