武田薬品は2日、アイルランド税務不服審査委員会より、アイルランド歳入庁からの「シャイアー社が2014年10月にアッヴィ社から受領した違約金に対する課税」通知を支持する裁定を受けたと発表した。
同裁定に対して武田薬品は、「シャイアーは2019年1月に同社によって買収されていることから、アイルランド裁判所への控訴を含め、可能なあらゆる法的手段を以って異議を申し立てていく」意向を示している。
シャイアー社は、2018年11月28日、アイルランド歳入庁から3億9800万ユーロの課税に関する通知を受領した。同通知は、2014年にシャイアー社がアッヴィ社からの買収の申し出の取下げに関する違約金として受領した16億3500万米ドルに対して課税を求めるもの。武田薬品は、同件に関して異議申し立てを行い、2020年の年末にアイルランド税務不服審査委員会においてヒアリングが行われた。
武田薬品は、同裁定の内容について精査を続けているが、2021年6月30日時点に存在していた事象に関連する後発事象として、2021年6月30日に終了した四半期(2021年度第1四半期)の連結財務諸表において、同件に関する税務費用を引当計上する予定である。
同引当は、2021年6月30日までの未払利息を含め、現時点で約630億円と見込んでいる。さらに、同社は、同引当の影響を反映した修正版の決算短信(2022年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結))を、8月6日までに東京証券取引所に提出する予定である。
また、その他の2021年度第1四半期決算資料についても同様に同引当の影響を反映して修正し、2021年8月6日までに同社ウェブサイトに掲載する。
なお、同裁定によって生じた税務費用は、武田薬品の本業に起因しない非定常的な事象に基づくものと考えられるため、2021年度第1四半期のCoreおよび実質ベースの実績は変更ない。
修正された決算資料は、提供が可能となった時点で同社ウェブサイトに(https://www.takeda.com/jp/investors/financial-results/)に掲載する。
現時点では、2021年度通期業績予想については変更はない。2021年度通期の業績予想については、同裁定とその他の要因も含めて考慮し、適切な時期に見直す。
なお、同裁定による2021年度通期のCoreと実質ベースの見通しへの影響はない。