ヒト常在菌叢の長期的な変化の追跡活用にも期待
早稲田大学大学院先進理工学研究科後期博士課程3年の細田至温氏と同大理工学術院の浜田道昭教授らの研究グループは15日、時間経過に伴う細菌相互作用の変化を推定する手法を開発したと発表した。
Umibato (unsupervised learning-based microbial interaction inference method using Bayesian estimation)と命名された同手法は、今後、自然環境の生態系の解明や、近年急速に解明が進んでいるヒト常在菌叢の長期的な変化の追跡での活用が期待される。
これまで細菌相互作用を推定するために用いられていた手法は、細菌相互作用が時間に伴い変化しないことを前提としていたため、時間の経過に伴い細菌相互作用の変化が推定できなかった。
今回開発した手法により、細菌叢の時系列データ解析においてこれまで見過ごされてきた細菌の関係性の変化を捉えることが可能になる。将来的には、自然環境の生態系の解明や、近年急速に解明が進んでいるヒト常在菌叢の長期的な変化の追跡においての活用が期待される。
なお、同研究成果は、2021年7月末に開催される計算生物学のトップの国際会議であるISMB/ECCB2021の口頭発表に受理された。論文はISMB/ECCB2021の予稿として12日(現地時間)に『Bioinformatics』に掲載された。