バイエル薬品とオムロン ヘルスケア、マルホは、2021年度の全国の高等学校を対象とした女性の健康教育推進プロジェクト「かがやきスクール」を全国22校(オンライン授業、出張授業を含む)で開催する。同プロジェクトは、SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向け高校生の教育支援に貢献し、社会貢献活動の一環として、これまで バイエル薬品とオムロン ヘルスケア が共同で実施してきたもの。
「かがやきスクール」は、婦人科医など専門の医師を高等学校に派遣して、無料で女性の健康教育に関する授業を実施するもので、バイエル薬品が女性の健康と活躍を支援する環境づくりへの寄与を目的として2014年より開始したプログラムだ。
2018年度よりオムロン ヘルスケアが共催企業として参画し、さらに本年度より皮膚科学領域のスペシャリティファーマであるマルホがパートナー企業として新たに参加する。
また、29日には、新たな取り組みとして「中高生のうちに知っておくべき女性のカラダと健康のこと」をテーマとした教職員対象オンラインセミナーを開催する。同セミナーは、産婦人科医による講演や事例紹介等で教育現場での健康教育の実施を支援するプログラムである。同取り組みを通じて、全国の高等学校で行われている健康教育を支援していく。
女性の健康教育推進プロジェクト「かがやきスクール」は、開始から約7年で、全国の高校生約5万人が受講している。
授業には男子生徒の参加も推奨しており、過去7年間の継続した取り組みにより授業実施高校が184校、受講者数は4万9460人(女子3万0224人、男子1万9236人)となった。同プロジェクトでは、2019年度より出張授業のみならずオンライン授業配信にも積極的に取り組んでいる。2020年度(2020年4月~2021年3月)は、計18回(19校のうち2校同時開催が1回)、オンライン授業をライブ配信した。
オンライン授業ならではの事例として婦人科医講師より婦人科クリニック内の診察室や設備などの紹介(中継)やシステム上の機能を利用した質疑応答などのコンテンツも取り入れた。
2015年4月から2021年3月に「かがやきスクール」を実施した高等学校でのアンケート調査によると、受講後(n=25,265)に6割以上の女子生徒が、「月経のため、勉強や作業の能率が下がることがある」と回答した。
その一方で、受講前(n=16,935)のアンケート調査では、半数以上の男子生徒が「月経が日常生活に支障をきたす場合があることを知らない」と答えた。
さらに、受講後(n=11,978)にかがやきスクールの授業内容について尋ねたところ、約半数以上の生徒が「授業内容のうち半分以上が初めて知る内容だった」と回答した。
受講前・後に「月経痛や月経不順、無月経、過多月経は病院で治療できることを知っているか」を尋ねたところ、医療機関で治療できることの認知度は受講前と比べ約2.5倍に増加した。
これらの結果から、「かがやきスクール」の授業により、ヘルスリテラシーが向上していることが判った。
特筆すべき点として、約2割の生徒が「新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校になったり外出が自粛になったりしたことで心や体の健康に支障があった」と回答していた。
心や体の健康について支援を必要としている生徒が存在していることがわかった。
女性の活躍がますます期待されている現代社会において、女性自身が望む人生設計やキャリアプランを実現するためには、女性特有の健康問題やライフステージごとの体の変化について正しく理解することが大切である。
ウェブサイトでは、「かがやきスクール」の概要や授業プログラムの紹介などとともに、全国の高等学校の独自の取り組みを支援するため、「先生のための授業サポート」ページで、アンケートに回答した人に無償で各種教育資材を提供している。「かがやきスクール」基本スライド集、女性の健康をテーマとした小冊子のほか、婦人科医による「かがやきスクール」の講演動画なども視聴できる。
また、多種多様な企業や団体が連携を図りながら教育を支援し、社会へ広げていくため、「かがやきスクール」の取り組みに協力または賛同する企業・団体のパートナーを募集している(かがやきスクールウェブサイトhttps://www.pharma.bayer.jp/ja/kagayaki-school)。
バイエル薬品とオムロンヘルスケアは、「かがやきスクール」をはじめとするさまざまな取り組みを通して、女性の健康づくりと活躍の環境づくりを支援していく。
【かがやきスクールアンケート調査 概要】
対象施設: 下記の期間においてかがやきスクールを実施した全国の高等学校181校
対象: 上記に在学中であり、本調査の参加に同意した生徒
生徒受講前調査:高校生34,974名(女子生徒 22,168名 男子生徒12,806名)
生徒受講後調査:高校生41,814名(女子生徒 25,508名 男子生徒 16,306名)
方法:各高等学校にてアンケート用紙を配布・回収し、事務局にて集計
時期: 2015年4月~2021年3月
図表内のパーセンテージは小数点第1位で四捨五入の丸め計算を行っているため、合計しても100%とならない場合がある。
主なアンケート結果:
6割以上の女子生徒が、月経のために勉強や作業の能率が下がることがあると回答
Q.あなたは「月経が日常生活や学業の妨げになること」はありますか?(生徒受講後調査)
Q.あなたは「月経のため、勉強や作業の能率が下がること」はありますか。(生徒受講後調査)
半数以上の男子生徒「月経が日常生活に支障をきたす場合があることを知らない」と回答
Q.学校や仕事に行けなくなるなど、「月経が女性の日常生活に支障をきたす場合があること」を知っていますか?(生徒受講前調査)
約半数の生徒「かがやきスクール」授業内容の半分以上がはじめて知る内容だった」と回答
Q.今回の授業中に聞いたことのうち、以前からすでに知っていたことは授業全体の何%くらいありましたか? (生徒受講後調査:2019年4月~2020年3月実施)
月経随伴症状は医療機関で治療できることの認知:受講前・後の比較で約2.5倍に増加
Q. 「月経痛や月経不順、無月経、過多月経は病院で治療できること」をよく知っている __/
理解できましたか? (生徒受講前・受講後調査)__
Q. 新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校になったり外出が自粛になったりしたことで、心や体の健康に支障がありましたか?(生徒受講後調査:2020年4月~2021年3月実施)