小野薬品は29日、オプジーボについて、25日に欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、化学放射線療法後に病理学的残存病変を有する食道がんまたは胃食道接合部がん患者の術後補助療法として、肯定的な見解を示したと発表した。ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が25日に公表したもの。
対象は、前補助化学放射線療法(CRT)後に病理学的残存病変を有する食道がんまたは胃食道接合部(GEJ)がんの成人患者の術後補助療法。
今後、CHMPの推奨は、欧州連合(EU)で医薬品を承認する権限を持つ欧州委員会(EC)によって審査される。
今回の肯定的な見解は、術前補助CRTおよび外科的完全切除後のオプジーボによる治療が、プラセボと比較して、全無作為化患者集団において、主要評価項目である無病生存期間(DFS)を2倍に延長したことを示したP3相CheckMate-577試験の結果に基づいている。オプジーボの安全性プロファイルは、これまでに報告された試験のものと一貫していた。
CheckMate-577試験の結果は、2020年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)バーチャル総会 および本年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表された。
オプジーボは、術前補助CRTを受け病理学的残存病変を認めた完全切除後の食道がんまたはGEJがん患者の術後補助療法として米国で承認されている。
◆BMS消化器がん領域担当開発責任者のIan M. Waxman(M.D.)氏のコメント
限局性食道がんまたは胃食道接合部がんの患者さんの多くは、術前補助化学放射線療法および切除後でも、高い再発リスクを抱えており、さらなる治療選択肢が必要とされている。
私たちは、免疫療法薬によって再発を防げる可能性があることから、がんの早期段階での使用が重要であると確信している。食道がんまたは胃食道接合部がんの術後補助療法として、オプジーボに対するCHMPの肯定的な見解が得られたことは、科学が私たちの取り組みの成果につながることを目の当たりにしており、これらのがん患者さんにとって新たな前進であると言える。