大和國一の宮三輪明神大神神社の鎮花祭が18日、同神社本社拝殿ならびに狭井神社の両社で厳かに斎行され、新型コロナウイルス鎮遏と薬業界の発展が祈願された。例年、鎮花祭には約300人を超える医療・薬業関係者が参列していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年同様今年も参列数を縮小。塩野元三薬神講会長（塩野義製薬特別顧問）、梶谷順久同副会長（奈良県製薬協同組合理事長）、生地義明同副会長（大阪薬業三輪会世話人）、宮武健次郎前神講会長（神戸薬科大学理事長）ら、各界の代表者のみが参列して執り行われた。
鎮花祭は、別名花鎮めの祭りとも呼ばれており、今から1300年前の飛鳥の時代の「大宝律令」に、春の花散る頃に流行する疫病の鎮圧のため、国家の祭祀として大神神社・狭井神社で毎年「国民の無病息災」を祈るように定められている。
桜花の散るときに、花びらや花粉とともに疫病が拡散するのを鎮めるために、医薬の守護神の大物主大神と少彦名大神にお祈りするのがこの祭りで、国を代表する重要な神事として現在まで脈々と受け継がれてきた。
祭典では、修祓、祝詞奏上、神楽浦安の舞、玉櫛奉奠、撤饌などの神事が行われ、新型コロナウイルス鎮遏と薬業界の発展が祈願された。
鈴木寛治大神神社宮司による祝詞奏上では、今年も通常の祝詞に「大神の力を頂き、新型コロナウイルスから人の命を救い賜う薬の験と広く医術の力を与え賜え」の構文を追加。世界中の新型コロナウイルスの完全鎮遏が祈願された。
狭井神社での祭典終了後のあいさつの中で鈴木宮司は、「本来であれば薬神講の皆さんに加わっていただき、賑々しく例祭を斎行するところを、今年も新型コロナウイルス感染予防で参列数を制限させていただいた」と説明。
さらに、「本日、各界の代表としてご参列頂いた皆さんには心から御礼申し上げるとともに、コロナ禍の中でお体を大切にしていただき、さらに国家の安全のためにご尽力されることをお願いしたい」と訴求した。
