欧州医薬品庁がデング熱ワクチンの承認申請受理  武田薬品

 武田薬品は26日、開発中のデング熱ワクチン(TAK-003)について、欧州医薬品庁(EMA)へ承認申請を行い受理されたと発表した。同ワクチンは、4歳から60歳の人を対象に、4種すべてのデングウイルス血清型で引き起こされるデング熱の予防を目的としたもの。
 今後、本年中にアルゼンチン、ブラジル、コロンビア、インドネシア、マレーシア、メキシコ、シンガポール、スリランカ、タイで規制当局へ申請を行う予定にある。
 武田薬品は、欧州連合(EU)における承認とEU-M4all (旧称:Article 58)制度を通じての EU域外の国々における承認を目的とした医薬品に適用されるEMAが実施する初の並行審査に参加している。
 EU-M4all制度に参加している国々は、欧州医薬品評価委員会(CHMP)からの科学的見解に加え、独自の審査をした上で自国における承認について判断する。 EU-M4all制度に参加していないデング熱流行国においてもTAK-003の承認を目指す。
 TAK-003の申請資料には、現在進行中のグローバルP3試験であるTIDES試験(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)の36ヵ月間の長期にわたる安全性および有効性データが含まれる。この36ヵ月間データの詳細については、学会や査読誌にて年内に発表する予定である。
 また、同社では、米国での承認申請を行い、その後アジアやラテンアメリカのその他諸国での承認申請を実施していく。
 武田薬品Global Vaccine Business UnitのVice PresidentでDengue Global Program LeadのDerek Wallace氏のコメントは次の通り。
 当社のデング熱ワクチン候補であるTAK-003の申請は、デング熱の脅威にさらされている地域に住む人々やその地域へ移動する人々にとって重要な進展となる。デング熱の流行により、世界で毎年50万人が入院しており、その医療制度への広範な影響により、地域社会や政府は甚大な負担を被るおそれがある。
 現在、デング熱を予防するための手段は限られており、広範に提供されるデング熱ワクチンが早急に求められている。武田薬品は、TAK-003の承認に向け、規制当局やワクチン接種の勧告を行う機関と協力していく。

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