アッヴィは23日、経口BCL-2阻害薬ベネクレクスタについて、同日、国内で急性骨髄性白血病(AML)の適応追加承認を取得したと発表した。ベネクレクスタは、BCL-2と呼ばれる体内の特定タンパク質を標的とする経口BCL-2阻害剤で、がん細胞で失われてしまったとがん細胞の自然死または自己破壊(アポトーシス)の過程を回復させる作用がある。
今回の適応追加承認は、ベネクレクスタについて実施された2つの多施設無作為化国際共同試験のデータに基づくもの。同承認により、ベネクレクスタは、強力な化学療法が適応とならない初発のAML患者にとって、新たな治療選択肢となる。
また、ベネクレクスタにとって、AMLは再発/難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫(SLL)に続く、新たな適応症となる。
AMLは、悪性度が高く、治療困難な血液がんの1つで、治療法やケアの進歩にもかかわらず、AMLと診断された患者の5年生存率は約28.7%にとどまっている。
現在、全世界で16万人がAMLを有し、10万人当たりの新規発症数は103人と推定されている。本邦におけるAMLの総患者数は、約7000人と報告されている。
日本では、強力な寛解導入療法の適応とならない未治療のAMLに対する標準治療法が限られており、低用量シタラビンが治療に用いられている。60歳以上のAML患者のうち、治癒を目指す強力な化学療法を行うことのできる患者は約3分の1に過ぎない。
今回の承認によって、強力な化学療法を受けることができない初発のAML成人患者にとって、ベネクレクスタは新たな治療選択肢となる。
ベネクレクスタは、日本において、再発/難治性のCLLまたはSLLに対する治療薬として、2019年9月に製造販売承認された。2020年6月24日には、AMLに対する希少疾病用医薬品指定を厚生労働省より取得している。