インサイトは23日、選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤「ペマジール」について、胆管がん治療薬として国内製造販売承認を取得したと発表した。対象疾患は、がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌。
胆道がんの中でも、胆管に発生する希少ながんである胆管がんは、肝臓内の胆管に発生する肝内胆管がんと、肝臓外の胆管に発生する肝外胆管がんに分類される。胆管がんは、診断されたときにはすでに進行期または末期であることが多く、概して予後も不良である。
FGFR2融合遺伝子または遺伝子再構成とは、胆道がん患者の中で肝内胆管がんにほぼ限定的に発生するもので、国内でまれに認められる。
今回の承認は、線維芽細胞増殖因子(FGF)またはFGFRを認め、治療歴を有する、局所進行性または転移性の成人胆管がん患者を対象に、ペミガチニブの安全性と有効性を評価したFIGHT-202試験のデータに基づくもの。
日本では、国内患者数が5万人未満で、メディカルニーズが高い希少疾患の治療薬として開発中の化合物に対して、厚労大臣による「希少疾病用医薬品」指定制度があり、ペミガチニブもその指定を受けていた。希少疾病用医薬品に指定された医薬品は、製造販売承認の優先審査の対象となり、医療現場へのより迅速な提供が図られる。