小野薬品と生化学工業は23日、関節機能改善剤「ジョイクル(開発コード:ONO-5704/SI-613)」について、「変形性関節症(膝関節、股関節)」の効能効果を厚労省より取得したと発表した。今回の承認は、国内で実施した3つのP3相臨床試験結果に基づくもの。
変形性膝関節症患者を対象とした検証的試験において、ONO-5704/SI-613群は、主要評価項目である初回投与後12週間(4週間ごとに3回投与)の膝の痛みの評価指標(WOMACスコア、100mm VASスケール)でプラセボ(偽薬)群と比較して統計学的に有意な改善効果を示した。また、安全性については、臨床上、顕在化した問題は認められなかった。
ジョイクルは、生化学工業独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸にジクロフェナク(抗炎症薬)を化学結合した薬剤で、加水分解によりジクロフェナクを遊離する。関節腔内への4週間に1回の投与により、変形性関節症(膝関節、股関節)の症状改善が期待される。
また、注射剤として関節腔内に直接投与するため、ジクロフェナクの全身曝露量が少なく、全身性の副作用のリスクが低いと考えている。なお、関節機能改善剤において、変形性股関節症の適応を持つ国内初の医薬品となる。
ジョイクルは、生化学工業が製造販売を行い、小野薬品が販売を担う。発売時期については、薬価基準収載後に告知する。なお、同件による小野薬品及び生化学工業の2021年3月期連結業績予想の変更はない。