日本生活習慣病予防協会(理事長・宮崎滋)は、「全国生活習慣病予防月間2021」イベントとして、「多休(しっかり休養)」をテーマにWeb講演会(http://www.seikatsusyukanbyo.com/monthly/)を公開している。公開期間は2月28日まで。視聴は無料、登録不要で、抽選によりプレゼントも用意している。
Web講演会では、西多昌規早稲田大学睡眠研究所所長(精神科医)が「休む技術ースマホ時代の仕事オフのつくりかた」、山岸久一京都府立大学名誉教授が「休養でがん予防」をテーマに講演。その後、コロナ禍に今「休養を考える」をメインテーマに総合討論を展開している。
西多氏は、「日本人が休み下手な理由」、「休みを起点にワークバランスを考えること」、そして、「リモートワーク疲れ、Zoom疲れ(Zoom fatigue)への処方箋」など、コロナ禍、ニューノーマル時代を生き抜く「休む技術」を解説。
一方、山岸氏は、「がんを予防するには免疫力をつけること」が大切であり、その根拠として、「免疫細胞(ナチュラルキラー[NK]細胞)が、がん細胞を破壊する映像」を紹介。免疫力つけるためにはストレスを避け、休養、NK細胞を増強するための「笑い」や「プラス思考」が重要であること、さらに、免疫力をつける野菜などを紹介している。
総合討論では、「ワーケーション」、「攻めの休み、守りの休み」、「一無、二少、三多」などをテーマに質疑が行われている。
各講演と総合討論、プレゼントの詳細は次の通り。
●講演1. 「休む技術ースマホ時代の仕事オフのつくりかた」 Part 1~Part 3
西多昌規氏(早稲田大学睡眠科学研究所 所長・スポーツ科学学術院 准教授)
Part 1:日本人はなぜ休み下手なのか?「休み」の歴史をみながらひも解く。最近は、働き方改革などもあって、残業時間は減り、有給取得も増えている。だが、有給が増えたといっても、休みや余暇時間は本当に増えているのだろうか。「疲労」は人間の3大アラートの一つ、休みの軽視は、個人、組織、社会を疲弊させることにほかならない。
Part 2:休み方の知識と実践。休養とは、心身の疲労回復をはかることであるが、もうひとつ重要なのは自分のための時間を作る行為である。仕事の結果の休みではなく、休みを起点に考えることも重要。疲れたときは家でゆっくりもいいが、ずっと家でゴロゴロはよくない。自分の「休む」は自分でオーナーシップを持つ、自分時間を作るのが大切。
Part 3: デジタル・オンライン社会の休み方。 特にリモートワークが多い現在では、オン(ワーク)とオフ(ライフ)との境界線がはっきりしなくなってきている。
一方で、スマホやSNSが社会的つながり、コミュニケーションの手段となり、情報から離れることへの不安のほうが大きい。鳴ってもいないスマホにビクッと感じた経験はないだろうか?それは要注意のシグナル。デジタル・オンライン社会を生き抜くには、意識したストレスマネジメントが必要
●講演2.「休養でがん予防—その免疫学的根拠—」
山岸久一氏(京都府立医科大学名誉教授)
Part 1:がんは遺伝子の病気である。がん増殖のアクセルとなるがん遺伝子とがん増殖のブレーキとなるがん抑制遺伝子のせめぎあいでがんは発症する。
がんを予防するには免疫力をつけることも大切。免疫力をつけるためは、ストレスを避ける、休養・睡眠、さらに、がん発症を予防するNK活性(がんを攻撃するナチュラルキラー細胞)を高めるために、笑いや前向きなプラス思考が大切。
Part 2:最初はたった1個のがん細胞が発生する。免疫細胞が細胞をみつけて排除することで、がんの発病を防ぐ。失敗したらがん細胞は増殖する。自然免疫のNK細胞ががん細胞を攻撃する映像と獲得免疫であるキラーT細胞ががん細胞を攻撃して縮小させる映像は必見。十分な休養・睡眠による疲労回復、ストレス解消、NK活性増強により、免疫力をつけることががんや病気を予防する。
●総合討論 「コロナ禍の生活習慣」
パネリスト:宮崎滋氏(日本生活習慣病予防協会理事長)、西多昌規氏、村田正弘氏(NPO法人セルフメディケーション推進協議会会長)、和田高士氏(日本生活習慣病予防協会副理事長)
内容:総合討論は、全国生活習慣病予防月間2021のテーマである「多休」(しっかり休養)をもとに、コロナ禍に今「休養を考える」として質疑が行われた。「ワーケーション」、「休みの教育」、「休まない文化をどう考えるか」、「攻めの休み、守りの休み」、「Self efficacyとSelf medication」、「座りっぱなしの弊害」、日本生活習慣病予防協会の健康習慣「一無、二少、三多」などをテーマに質疑が行われている。
●視聴者プレゼント:
1.「休む技術」(西多昌規著)電子版限定100名(抽選)
2.「新型コロナウイルス感染症ー予防と家庭看護の実際」(セルフメディケーション推進協議会編)100名(抽選)
3.協賛会社より商品サンプル