会員薬局が地域でより光り輝く存在になるよう支援 大阪府薬乾会長

乾会長

 大阪府薬剤師会は14日、同会館で定例記者会見を開き、乾英夫会長が年頭所感を発表した。その中で乾氏は、「昨年9月の薬機法改正の施行に伴う薬剤師職能・薬局のあり方の明確化にしっかりと対応し、会員薬局が地域でより光り輝く存在になるための支援が本会の今年の大きな課題である」と強調した。
 また、医療機関が新型コロナ感染の疑いのある患者の院外処方箋を発行する場合、予備欄に「患者の状況や連絡先を記載した」処方箋の発行を大阪府医師会に依頼し、保険薬局内の感染防止に務めていることも明らかにした。
 年頭所感で乾氏は新型コロナへの対応にも言及し、「Withコロナにおける薬剤師活動・薬局のあり方についてもしっかりと対応していく」考えを示した。また、緊急事態宣言に対応するため、「全ての研修会を全てWebで実施していく」と断言。堀越博一常務理事も、「Web研修は、ライブより多くの人が参加できる利点もある。できるだけリアル研修と同じ環境の配信になるように11月からテストを実施しており準備も整っている」と報告した。

薬局内感染防止で「患者状況等記載」院外処方箋発行

 保険薬局内の感染防止のための「患者の状況や連絡先を記載した」処方箋は、昨年12月14日に乾氏が茂松茂人大阪府医師会会長に依頼したもの。同依頼は、昨年4月10日の厚労省通知「帰国者・接触者外来等において新型コロナウイルスへの感染が疑われる患者に処方箋を交付する場合の留意事項」などに基づいている。これを受けた茂松氏は、23日に医師会会員にその主旨を周知した。
 院外処方箋に患者状況や連絡先を記載する対象患者は、「発熱患者」および「新型コロナ感染症(疑い)患者」。院外処方箋発行の祭の留意事項には、①患者が希望する保険薬局へ院外処方箋をFAX通信、②処方箋には患者の同意を得て、備考欄にF・I・Cおよび患者の連絡先(携帯番号など)記載、③患者には来局前に予め当該薬局に連絡するように伝える④FAXした処方箋原本は、患者(家族)に薬局まで持参させるか、薬局宛に郵送-がある。
 ②のF・I・Cは、発熱F、インフルエンザ検査I、新型コロナ感染症に係るPCR検査等Cの略語で、発熱のある場合はFを〇で囲み、無い場合はFに×を付記する。I、Cに関しては、結果が陽性の場合は〇、陰性は×、検査中は△をアルファベットに付記する。


 道明雅代副会長は、「大阪府医師会、薬剤師会が連携して、少しでも薬局薬剤師が安心して職務にまっとうできる環境になれば良い」と断言。山口泰秀専務理事も「他の近畿府県の薬剤師会にもこうした院外処方箋の発行を連絡しており、府外の薬局で応需されても意味が分かるようにしている」と説明した。
 また、乾氏は、「コロナに感染して入院できない、あるいは宿泊療養待機の患者が増えてきた」現状を指摘。その上で、「自宅療養でかかりつけ薬局を持たない新型コロナ感染患者に対して、薬を届けるなどの対応ができる薬局を手上げ方式で募集したところ府下4100軒の薬局うち1700軒が応募している」と明かし、「コロナに対してしっかり対応する意思のある薬局が多く大変心強い」と述べた。
 一方、大阪府の「医療従事者への新型コロナ優先接種」では、15日までに薬局毎に大阪府が設置しているホームページに希望主旨を登録。22日に接種希望者名簿を大阪府にメールで送信する手はずになっている。
    

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