アストラゼネカは12日、アカラブルチニブについて、新型コロナウイルス性呼吸器症状を有する入院患者を対象とするP2試験(CALAVI)試験において、「呼吸不全未発症の生存患者の割合増加」の主要評価項目を達成しなかったと発表た。
ベストサポーティブケア(BSC)への追加療法としてのアカラブルチニブは、呼吸不全未発症の生存患者の割合を増加させなかった。これらの試験において、アカラブルチニブの新たな安全性シグナルは検出されなかった。
CALAVIプログラムは、新型コロナウイルス感染症入院患者さんを対象とするアカラブルチニブとBSCの併用療法をBSC単独療法と比較検討する2つのP2試験で構成されていた。
CALAVI P2試験におけるアカラブルチニブの安全性および忍容性はこれまでの試験と一貫していた。このデータは後日発表される。
なお、CALAVI P2試験の結果により、アカラブルチニブの血液がん患者を対象とする承認された適応症あるいは申請中の適応について影響を受けることはない。アカラブルチニブは、本邦では未承認である。
Jose Baselgaオンコロジー研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントは、「CALAVI試験は、アカラブルチニブが新型コロナウイルス性呼吸器症状を有する入院患者の過剰免疫反応(高サイトカイン血症)を低減し、臨床転機を改善する可能性を示す前臨床および早期臨床エビデンスに基づき開始された」と説明。 さらに、「CALAVI試験は残念な結果となりましたが、この未曽有の世界的なパンデミックの最中、当社は、アストラゼネカとオックスフォード大学のコロナウイルスワクチンおよび当社の長時間作用型抗体の臨床試験を含め、患者に役立つサイエンスを進展させることに引き続き取り組んでいく」とコメントしている。