小野薬品とブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMSKK)は27日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫に対する効能又は効果に対する適応追加の国内承認申請を行ったと発表した。
今回の承認申請は、未治療の切除不能な悪性胸膜中皮腫患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法をプラチナ製剤を含む標準治療の化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検P3相試験(CheckMate-743 試験)の中間解析の結果に基づくもの。
同解析において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、化学療法と比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な延長を達成した。同試験で認められたオプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、本併用療法でこれまでに認められているものと一貫していた。
悪性胸膜中皮腫は、胸腔表面を覆う中皮やその下の結合組織の未分化な間葉細胞に由来する悪性腫瘍である。日本では、悪性胸膜中皮腫の総患者数は約2000 人と推定されている。
その発症原因は、職業環境及び生活環境から吸入した石綿(アスベスト)との関連が高く、石綿曝露から約30~50年という非常に長い期間を経て発症することが知られている。悪性胸膜中皮腫に対する初回薬物治療としては、ペメトレキセドとシスプラチンの併用療法が行われている。
今回の申請により、オプジーボとヤーボイの併用療法が悪性胸膜中皮腫の患者にとって新たな治療選択肢の一つとなるものと期待されている。
CheckMate-743試験は、未治療の悪性胸膜中皮腫患者(n=605)を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法を、化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験である。
同試験では、患者 303 例がオプジーボ3mg/kgを2 週間間隔で、ヤーボイ1 mg/kg を6 週間間隔で投与する治療群に無作為化され、投与は病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、最長 24 カ月間継続された。
患者302例がシスプラチン75mg/㎡またはカルボプラチンAUC5とペメトレキセド 500 mg/㎡の併用療法を、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、21日間を1サイクルとして、最大6サイクル投与する治療群に無作為化された。
同試験の主要評価項目は、全無作為化集団におけるOSであった。主な副次評価項目は、奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)および無増悪生存期間(PFS)。