大阪府薬は、今週末より9月1日施行の改正薬機法に伴う「薬剤使用期間中のフォローアップ解説」をユーチューブで配信する。乾英夫会長が12日の定例記者会見で明らかにしたもので、動画は、日薬が作成したフォローアップ手引きをより判りやすく解説している。会見では、31日に大阪府薬会館で大阪府薬剤師連盟と自民党大阪府連に所属する参議院議員・衆議院議員との意見交換会を開催し、「薬剤師へのコロナワクチンの優先接種」などを要望することも発表された。
昨年12月の薬機法改正の一環として、9月1日より薬剤師が調剤時に限らず、服用期間中も必要に応じて患者に対して服薬状況の把握や服薬指導を行う継続的な服薬管理が法律に基づいて施行された。
乾氏は、「継続的な服薬管理に基づいて収集した患者情報の医師・歯科医師・病院薬剤師への情報提供も努力義務として課せられている」と説明し、継続的な服薬管理の重要性を強調。
その上で、「ユーチューブでは、パワーポイントを用いて、伊藤憲一郎副会長や府薬担当者が薬剤使用期間中の府フォローアップを判りやすく解説しており、今週末にはアップできる」と明言した。
加えて、オンラインの服薬指導にも言及し、「同制度は、現実的にはスタートしているものの、コロナ禍での0410通知による電話診察に基づく服薬指導と混在している。本来のオンライン服薬指導の在り方を担保したものを進めて行く必要がある」と訴求した。
また、大阪府薬Web会議開催の基準およびWeb研修会参加費について堀越博一常務理事は、「今の状況であれば、ソーシャルディスタンスをきちんと取った上で、理事会など役員が参加する会議はリアルで行う。各種委員会も基本的に役員はリアルで開催し、委員にはWeb参加も認める形になる」と説明した。
Web研修会参加費の徴収については、「今年度の研修会は無料だが、システム導入による運営費が生じるため、次年度以降は一定の費用負担を考えている。今後、費用額も議論していく」考えを示した。
乾氏は、10・11日に大会史上初の現地とウェブでのハイブリッド開催となった札幌市での日薬学術大会について、「リアルの参加者は1500~1600人で、Webでの参加者は4000人程度であった」と紹介し、「コロナ禍の影響で参加者は少なかったが、プログラムは非常に充実しており、主催者の創意工夫が感じられた」と高く評価した。
さらに、「大阪府薬でも9月末から病診薬連携委員会を皮切りに各種委員会活動がようやくスタートした。コロナ禍ではあるが、リアル開催を中心に開始し、11月からはWebでの参加もトライしていく」スケジュールを示した。
また、日本医療薬学会が各都道府県薬に要望している「2020年度地域薬学ケア専門薬剤師研修施設調査」結果は、大阪府下では、17病院が研修施設として手上げし、14人の薬剤師が受講を希望。今年度は8病院で研修を受け入れることになった。
一方、大阪府薬剤師連盟と自民党大阪府連に所属する参議院議員・衆議院議員との意見交換会は、衆議院選挙もささやかれる昨今、同連盟と地元国会議員との今後のさらなる連携を目的としたもの。
尾島博司大阪府薬連盟会長は、「意見交換会には、大阪府出身の自民党の国会議員20数名の参加を予定している」と説明。要望事項として、「薬剤師へのコロナワクチンの優先接種」、「コロナ禍に伴う薬価改定の延期」、「かかりつけ薬剤師・薬局機能の充実・強化」、「新型コロナウイルス感染拡大に伴う薬局経営に対する財政支援」を挙げた。