大日本住友製薬は6日、米国子会社のサノビオン社が、9月26日より米国でパーキンソン病に伴うオフ症状の改善に用いられる舌下投与フィルム製剤「キンモビ」(一般名:アポモルヒネ塩酸塩水和物)を新発売したと発表した。
同剤は、パーキンソン病に伴うオフ症状の治療剤として、米国で初めて発売された新規の舌下投与フィルム製剤。アポモルヒネ塩酸塩(ドパミン作動薬)を有効成分とし、舌下で溶解するため、パーキンソン病患者は必要な時にオフ症状を改善することができる。
サノビオン社は、本年5 月に、FDAより同剤の承認を取得している。
同剤のP3試験では、同剤投与群は、プラセボ投与群と比較して、投与開始から12 週後における投与30 分後の運動症状を統計学的に有意に改善し、投与15 分後から改善が認められた。
また、P3試験の継続投与として実施中である非盲検試験の中間解析結果が、International Parkinson and Movement Disorder Society (MDS) Virtual Congress 2020 で公表され、同剤の48週間にわたる長期的な有効性、安全性、忍容性が示された。
サノビオン社Chief Commercial Officerのトーマス・ギブズ氏は、「パーキンソン病患者は、オフ症状に伴う運動機能の低下により、朝の着替えのような単純な作業が困難になるなど、日常生活に支障をきたす可能性がある」と指摘する。
また、ボカラトンパーキンソン病・運動障害疾患センターディレクターのスチュワート・アイザックソン医師は、「オフ症状に伴う運動機能の低下は、最も厄介な症状のひとつであり、パーキンソン病が進行し、オフ症状の頻度が増加することに伴って増加する」と説明。
その上で、「本剤が上市されることにより、医師は、必要な時にオフ症状を改善する効果的な治療選択肢を患者に提供することが可能となる」とコメントしている。