武田薬品は25日、てんかん重積状態の治療剤「ブコラム口腔用液」について、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。
今回の承認は、けいれん性てんかん重積状態を発症した18歳未満の患者に対してブコラムを頬粘膜投与した 2 つの国内P3相多施設共同介入非無作為化非盲検試験(NCT03336645 および NCT03336450)の結果などに基づくもの。
ブコラムは本邦初のてんかん重積状態に対する頬粘膜投与製剤で、医師の指導に従い、家庭内など医療機関外でも投与可能である。
武田薬品日本開発センター所長である廣田直美氏は、「頬粘膜投与のブコラムは、てんかん重積状態における緊急を要する治療において利便性および即効性を有する新たな治療オプションとして、日本の患者に貢献できるものと期待している」とコメントしている。
てんかん発作(てんかん性発作)は、脳における、過剰または同期性の異常なニューロン活動による一過 性の徴候または症状と定義されている。てんかん発作が持続する場合や連続して発生する場合、文字通り発作の連続状態を意味するてんかん重積状態の危険性が高まる。
国際抗てんかん連盟(ILAE)は、てんかん重積状態を「発作がある程度の長さ以上に続くか、短い発作でも反復し、その間の意識の回復がないもの」と定義しており、発作が5 分以上持続する場合、速やかに治療を開始する必要があるとしている。初発てんかん重積状態の年間発症率 は小児人口10万あたり42 人であり、日本の0~17 歳人口から推計すると、年間約8000人の初発てんかん重積患者が存在すると推定される。