英アストラゼネカは18日、イミフィンジのP3相試験(PACIFIC試験)において、切除不能なステージⅢ非小細胞肺がんで顕著な生存率を示し、4年後まで生存している患者は約50%に及ぶと発表した。
同剤は、同時化学放射線療法(CRT)後にがんが進行しなかった切除不能なステージⅢの非小細胞肺がん(NSCLC)において、持続的で臨床的に意義のある全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)を示した。
NSCLC患者の3人に1人は、腫瘍の大半が切除不能(手術により腫瘍を切除しきれない)であるステージⅢと診断される。だが、このような患者に対してイミフィンジが承認される以前は、過去数十年間、CRT以外の新たな治療法はなかった。
最新の事後解析の結果から、CRT後の患者さんの4年生存率の推定値は、イミフィンジ投与群で49.6%、プラセボ投与群で36.3%で、OSの中央値は、イミフィンジ投与群で47.5カ月、プラセボ投与群では29.1カ月であった。
また、最長1年間の治療を受けた患者において、試験開始から4年間がんが進行しなかった患者の割合はイミフィンジ投与群で35.3%、プラセボ投与群で19.5%であった。
The New England Journal of Medicineに2018年から掲載されてきたPACIFIC試験データは、主要評価項目であるOSにおいてイミフィンジの優位な有効性を示している。
P3PACIFIC試験のOS主要解析において、プラセボ投与群との比較でイミフィンジ投与群にみられた主な(発現率20%以上の)有害事象は、咳嗽(イミフィンジ投与群35.2%対プラセボ投与群25.2%、以下同様)、倦怠感(24.0%対20.5%)、呼吸困難(22.3%対23.9%)および放射線肺臓炎(20.2%対15.8%)であった。
CTCAEグレード3または4の有害事象の発現率は、イミフィンジ投与群で30.5%、プラセボ投与群で26.1%。また、有害事象により治療を中止した割合は、イミフィンジ投与群で15.4%、プラセボ投与群で9.8%であった。