小野薬品は23日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、オプジーボとヤーボイの化学療法を追加した併用療法について、進行非小細胞肺がん(NSCLC)成人患者のファーストライン治療薬として承認を推奨したと発表した。18日にブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が公表したもの。
オプジーボとヤーボイに追加されるのは、プラチナ製剤を含む化学療法2サイクルで、対象疾患は、EGFR 活性型遺伝子変異とALK転座が陰性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)成人患者。
CHMPの推奨は、今後、欧州連合(EU)で医薬品を承認する権限を持つ欧州委員会(EC)によって審査される。
CHMP は、主要評価項目である全生存期間(OS)の良好な延長を示したP3相CheckMate-9LA試験の結果に基づいて肯定的な見解を採用したもの。同試験におけるオプジーボとヤーボイの併用療法に化学療法 2 サイクルを追加した併用療法の安全性プロファイルは、NSCLC のファーストライン治療での免疫療法と化学療法でこれまでに認められているものと一貫している。
また、CheckMate-9LA試験の全データは、2020年米国臨床腫瘍学会(ASCO20)バーチャル科学プログラムの口頭セッションで発表された。
オプジーボとヤーボイの併用療法に化学療法2サイクルを追加した併用療法は、進行NSCLC患者のファーストライン治療薬として既に米国を含む9カ国で承認されている。ECに承認されれば、オプジーボとヤーボイを含む併用療法は、既に承認されている転移性悪性黒色腫と進行腎細胞がんに続き、EUでは3つ目の適応となる。
ブリストル マイヤーズ スクイブの胸部がん領域開発担当バイスプレジデントであるAbderrahim Oukessou(M.D.)氏は、「CHMP の肯定的見解は、化学療法 2 サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法が、依然としてアンメットニーズが残されている深刻ながん腫である進行 NSCLCのサブグループにかかわらず、患者の生存期間をより延長する機会を提供できる可能性があることを示している」と明言。さらに、「ECの決定を待ち望むと共に、この革新的な免疫療法薬による併用療法をEU諸国の患者に早急に届けられるように期待している」とコメントしている。