小野薬品は21日、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤のベレキシブルについて、「原発性マクログロブリン血症(WM)及びリンパ形質細胞リンパ腫(LPL)」の効能効果の承認を取得したと発表した。
今回の承認は、未治療および再発又は難治性のWMおよびLPL患者を対象にベレキシブルを評価する多施設共同非盲検非対照国内P2試験(ONO-4059-05)の結果に基づくもの。同試験でベレキシブルの投与を受けた患者27例(未治療の患者18例および再発又は難治性の患者9例)において、主要評価項目である中央判定による全奏効率(部分奏効以上)は、未治療の患者で 88.9%(16/18 例)[ 95%信頼区間(CI):65.3 – 98.6 ]、再発又は難治性の患者で 88.9%(8/9 例)(95%CI:51.8 – 99.7)であった。
また、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)については、未治療の患者および再発又は難治性の患者のいずれにおいても、6 カ月時点の無増悪生存率および生存率は 100%であった。
高頻度に認められたグレード 3 以上の有害事象(AE)は、好中球減少症とリンパ球減少症(各々11.1%)、白血球減少症(7.4%)であった。
この承認により、ベレキシブルは、未治療および再発又は難治性の WM 及び LPL 患者の治療薬として日本で初めて承認されたBTK 阻害剤となる。
ベレキシブルは、2019 年11月19日に、厚生労働省より「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」の効能又は効果に対して希少疾病用医薬品に指定されている。
WM 及び LPL は、悪性リンパ腫のひとつで進行が比較的遅い「低悪性度」に分類される。日本におけるLPLの年間罹患数は約240 人と推計されている。WM および LPLの臨床経過は一般に緩徐であり、生存期間中央値は5年以上だが、既存の治療法では治癒が望めない難治性の疾患である。
日本では、未治療並びに再発または難治性のWM およびLPL患者において標準治療が確立されていないため、新たな治療選択肢が望まれている。