腎性貧血治療剤「バフセオ錠」製造販売承認取得    田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は6月29日、「バフセオ錠150mg、300mg」(一般名:バダデュスタット、HIF-PH阻害剤)について、同日、腎性貧血を適応症とした承認を取得したと発表した。
 腎性貧血患者には、透析前の保存期や、血液透析または腹膜透析を実施中のいずれの時期にも、疲労、息切れ、不眠、頭痛、活力の低下などの症状が出現する可能性がある。
 「バフセオ錠」は、1日1回服用の経口剤で、透析期と保存期の腎性貧血患者に新たな治療の選択肢として提供できるものと期待されている。田辺三菱製薬は、同剤の供給を通じて、腎性貧血を患う日本の患者への新たなより利便性の高い医療の提供と、同社が独占的開発・販売権を有する他のアジア諸国の患者においても、迅速に提供できるよう開発を進めていく。
 日本では、慢性腎臓病(CKD)の患者は約1330万人と言われている。腎性貧血はCKDの早期のステージから発現し、CKDの進展に伴いその頻度が上昇することが報告されている。
 貧血に伴う症状には、疲労、息切れ、不眠、頭痛、活力の低下などがあり、患者さんのQOLの低下につながる。腎性貧血は、透析前の保存期および血液透析または腹膜透析を実施中のいずれの時期にも症状が現れることがある。
 これまで、腎性貧血には赤血球造血刺激因子製剤(ESA)という注射剤が一般的な治療として使われていた。。
  バフセオ錠は、アケビア社より導入した腎性貧血の治療のための経口低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害剤で、グローバルではP3試験が実施されており、高地での緩やかな酸素濃度の低下時に、人体が自然に適応する際に用いられる低酸素状態の改善と同じメカニズムで働く。
 高地では、人体は低酸素誘導因子(HIF)の安定化によって低酸素状態に反応し、これにより赤血球の産生を高め、組織への酸素運搬を改善する。

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