大阪府薬剤師会は20日、同会館で第15回定時総会・第140回代議員会を開催し、2019年度決算並びに新執行部役員の承認や、監事を選出した。同会終了後任期満了で退任した藤垣哲彦会長は後継者に対して、「大阪府薬は、これまで日本の薬剤師をリードする役割を担ってきた。コロナ禍で日常の医療の姿が変わっても、その気概を持って頑張ってほしい」とエールを贈った。
乾英夫新会長のもと承認された新執行部は、副会長:道明雅代氏、伊藤憲一郎氏、尾島博司、西川直樹氏、専務理事:山口泰秀氏、常務理事:谷澤靖博氏、堀越博一氏、宮田憲一氏、杉本幸枝氏、山岡信也氏、羽尻昌功氏。監事には、小田早苗氏、塚正英夫氏、総会議長に松尾浩氏、副議長に上田勢一市を選出した(いずれも期限は2021年度事業終了後の総会まで)。また、2019年度決算額は、経常収益11億9384万8522円、経常費用10億8166万9207円。
始めのあいさつの中で藤垣哲彦会長は、「新型コロナウイルス禍は、日常の医療を変えてしまう恐れがある。オンライン服薬指導が9月からスタートするが、医療機関で14日毎に受診する形態が今まで通り続くのかどうかも判らない」と指摘した。さらに、「『健康状態を自ら把握して管理する』という言葉が頻りに使われているので、日常の医療がどのように変わって来るのか注視して対応する必要がある」と強調。その上で、「我々の目指す方向は、健康サポート機能を持った薬局の確立にあると確信している」と言い切った。
藤垣氏は、第二次補正予算の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業にも言及し、「1薬局70万円の全薬局支援事業」、「薬局における薬剤交付支援事業」、「医療機関・薬局等の感染拡大防止等のための支援」、「新型コロナウイルスに感染した薬剤師にかわり調剤を行う薬剤師派遣体制の確保にかかわる支援」、「新型コロナウイルス感染による休業となった薬局に対する継続再開の支援」などを紹介。「今、これらの予算要求を挙げており、詳細が判り次第お知らせする」と明言した。
続いて、渡嘉敷奈緒美衆議院議員は、まず、「コロナ禍では、マスクやアルコールなどが無い中で、先生方には大変な対応をしていただき感謝したい」と謝辞を述べた。
さらに、「第二次補正予算では、4人の薬剤師の国会議員が連携を取りながら、なるべく薬剤師に関する事項を入れて貰うように要望した」と舞台裏を明かし、「ウイルスの戦いの中での大きなポイントは薬になってくる」と断言。
「薬と言えば我々薬剤師がどれだけ力を持てるか、患者との関係が築けるかが勝負になって来る。国には、薬剤師職能がもっと発揮できるようにして、仕事ぶりをきちんと評価してほしいと申し入れした」と強調した。
また、コロナ禍後の医療体制についても「オンライン診療も出てきた。いよいよ来年には、電子処方箋をスタンダードにする法案も提出されれる」と紹介し、「大切なのは、薬剤師が患者さんとの信頼関係をきっちりと築くこと」と強調。「明確に人間関係ができていれば、たとえ周りの環境が変わったとしてもきちんと仕事ができる」と訴求した。
同会終了後、乾英夫新会長は、「全国で最もまとまりのある薬剤師会を今までと同様にしっかりとリードして行きたい。各都道府県薬剤師会の手本となれるように組織を進めて行く」と抱負を述べた。