アストラゼネカの日本における 2019年(1 月~12月)通年業績は、総売上高25億4800万ドル(対前年比26%増)で、日本市場の世界に占める割合は11%となった。薬価ベースの国内医療用医薬品売上高では、2018年度の業界8 位から5 位に上昇した。5日に発表したもの。
通年業績に関わる概要は次の通り。
1.主要3領域(オンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器)の売り上げは、21 億1200万ドル、製品売り上げに占める割合は 83%であった。
A) オンコロジーの売上高は、14億3600 万ドル(昨年比 52%増、製品売り上げに占める割合は 56%)。
B)循環器・腎・代謝疾患の売上高は、2億9900ドル(昨年比 3%増、製品売り上げに占める割合は 12%)であった。
C)呼吸器の売上高は3 億7700 万ドル(昨年比 17%増、製品売り上げに占める割合は15%)。
2. 2019 年度には、4種の革新的医薬品の提供を実現した。オンコロジー領域ではリムパーザの適応拡大、循環器・腎・代謝疾患領域ではフォシーガの適応拡大、そして、呼吸器ではビレーズトリとビベスピの 2 つが承認された。
3. 患者にとってよりよいソリューションを提供すべく、パートナーとの連携を推進した。
A)大阪府とは、「アレルギー疾患対策の推進に係る連携・協力に関する協定書」を締結(2019 年 8 月)
B)慶應義塾大学とは、産学連携による地域特性に応じた効果的な保健医療施策への貢献を目指して、循環器・腎・代謝疾患領域におけるリアルワールド・エビデンス(RWE)の創出に関する共同研究契約を締結した。(2019 年 10 月)
C)オムロンヘルスケアとは、患者の人生を変革する疾患管理ソリューションの共同開発に関する包括的、長期的かつ世界的な戦略的提携に合意した。(2019 年 11 月)
D)日立製作所とは、日本において慢性閉塞性肺疾患(COPD)発症にいたる経緯および発症後の予後に関する共同研究の提携に合意した。(2019年12月)
4. あらゆる社員が働き甲斐のある職場づくりができるよう、インクルージョン&ダイバーシティの推進、日本に居ながらにしてグローバルリーダーを目指すPlan100の促進、加えて時間や場所にしばられないさらなるリモートワークを推進した。
5. 社会的意義の高いサステナブルな企業としての活動の充実も進めている。環境保護活動においても、営業車をハイブリッド車に切り替え(2019 年に 64%達成)、ペーパーレスを推進し 2019年には228万枚の紙の節約を実現した。また、社外的には、各種ボランティア活動を実施した。700 名の従業員が小児患者とその家族の入院・病院での滞在を支援するボランティア活動、120名の従業員が地域の清掃活動を行うボランティア活動に参加した。