武田薬品は1日、TAKHZYROプレフィルドシリンジ製剤の一部変更承認申請(Type IIVariation)について、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)より承認を推奨する旨の肯定的見解が示されたと発表した。
TAKHZYRO は、12 歳以上の遺伝性血管性浮腫(HAE)患者における再発性発作の標準的抑制薬として、欧州では皮下投与製剤として承認されている。HAE は、腹部、顔面、足、性器、手、喉など、体のさまざまな部分で繰り返し起こる浮腫の発作(腫脹)を引き起こす希少な遺伝性疾患。
同社HAEのProduct Strategy Lead である Isabel Kalofonos氏は、「今回の肯定的見解は、TAKHZYRO の投与を受けている患者の負担軽減を目指す上で、重要な前進となる」と指摘。さらに、「欧州のHAE患者に、今年後半からプレフィルドシリンジ製剤という革新をお届けできることを楽しみにしている。また、他の地域でも本製剤を届けられるよう取り組んでいく」とコメントしている。
TAKHZYROは、P3試験であるHELP(遺伝性血管性浮腫の長期抑制)試験結果に基づき、2018年11月に欧州連合の承認を取得した。HELP 試験では、TAKHZYRO投与群のHAEの月間平均発作発現回数の減少を、プラセボ群と比較して評価した。TAKHZYRO は現在、1バイアル300mgの注射剤として提供されている。
プレフィルドシリンジ製剤は、現在のTAKHZYROのバイアルを使用した注射剤と比較して、消耗品や廃棄物も削減でき、調製の手順の少ない、完成品として提供される次世代の製剤である。 販売承認に関する EMA の一部変更承認申請(Type II Variation)は、投与方法など医薬品に何らかの変更があるが、有効成分には変更がないものが対象となる。
今回のCHMPの見解には、欧州委員会(EC)の決定は12ヵ月以内に採択されることが記載されており、この一部変更承認申請(Type II Variation)の条件のもと、武田薬品は TAKHZYROプレフィルドシリンジ製剤の今年後半の欧州での販売開始が可能となる。
プレフィルドシリンジ製剤の欧州以外の国での状況については、現在申請中、または2020年以降の申請を予定している。