武田薬品は15日、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」について、欧州委員会(EC)より、未治療の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)の成人患者に対する CHP (シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾン)との併用治療に関して適応追加が承認されたと発表した。ECによる同決定により、ノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドの他、EU全加盟国においてアドセトリスの同適応追加が承認された。
sALCLは、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)のサブタイプで、同決定は、本年3月27日の欧州医薬品評価委員会(CHMP)の肯定的見解による。この承認により、アドセトリスは、この数十年の間にsALCLの一次治療で承認された唯一の標的療法となった。
今回の適応追加承認は、サブタイプのsALCLを含むCD30陽性のPTCL患者を対象に、アドセトリスと CHPの併用療法を標準治療であるCHOP療法(シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾン)と比較したP3試験(ECHELON-2)結果に基づくもの。
同試験では、アドセトリスとCHPの併用療法がITT 集団において、独立評価委員会の評価による無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意な改善を示し、主要評価項目を達成した(ハザード比=0.71、p 値=0.0110)。
ECHELON-2試験におけるアドセトリスとCHPの併用療法の安全性プロファイルはCHOP療法のものと同様であり、アドセトリスと他の化学療法との併用で確立された安全性プロファイルとも一致するものであった。