オプジーボとヤーボイ併用療法 肺がんのファーストラン限定治療でFDAとEMAが申請受理

 小野薬品は9日、オプジーボとヤーボイの併用療法に化学療法を限定して追加したファーストラインの肺がん治療に関する承認申請が、8日にFDAおよびEU当局より受理されたと発表した。承認申請の具体的な適応疾患は、EGFR やALK遺伝子変異陰性の進行または再発の非小細胞肺がん(NSCLC)。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(BMS)が明らかにしたもので、申請はP3相CheckMate-9LA試験の結果に基づく。
 FDAは、同申請をファスト・トラックに指定するとともに、優先審査の対象として受理し、処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了の目標期日を本年 8 月 6 日としている。
 一方、EMA(欧州医薬品庁)は、同適応に関して、化学療法を限定して追加したオプジーボとヤーボイの併用療法の承認申請を受理した。同申請の受理により、提出が完了し、EMAの中央審査が開始される。
 これは、日本において、小野薬品が、BMSと共同で行った、化学療法を限定して追加したオプジーボとヤーボイの併用療法の国内製造販売承認事項一部変更承認申請の提出に続くもの。
 BMSの胸部悪性腫瘍担当開発責任者であるSabine Maier(M.D.)氏は、「治療法は進歩しているものの、世界中の肺がん患者にはさらなる革新的な治療選択肢が必要とされており、深刻なアンメットニーズが残されている」と指摘。その上で、「FDAおよびEMAによる申請の受理は、肺がん患者にとって重要なマイルストーンである」と強調している。
 CheckMate-9LA試験は、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず、進行NSCLC 患者のファーストライン治療薬として、オプジーボ360mg(3週間間隔)とヤーボイ1mg/kg(6 週間間隔)に化学療法(2 サイクル)を追加した併用療法を、化学療法(最大 4 サイクル後に、適格であればペメトレキセドによる維持療法を任意で施行)と比較した多施設共同無作為化非盲検P3相臨床試験。
 試験群の患者は、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、最長 2 年間投与された。対照群の患者は、病勢進行または毒性が認められるまで、最大4サイクルの化学療法および(適格であれば)ペメトレキセドによる維持療法を任意で施行した。
 同試験の主要評価項目は、ITT集団でのOS(全生存期間)で、OS延長を達成している。副次評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)およびバイオマーカーに基づく有効性判定であった。

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