集団感染予防学講座開設 大幸薬品と順天堂大

 大幸薬品と順天堂大学は、本年1月1日より、同大大学院医学研究科内に集団感染予防学講座を開設している。同講座は、集団感染症予防の研究を目的としたもので、代表に順天堂大学大学院医学研究科 小児思春期発達・病態学の清水俊明 教授が就任。
 小児感染症や未熟児新生児の医療に精通した専門医師の指導の下、主に教育機関や医療空間の環境感染対策での二酸化塩素の有用性と応用について臨床的に検証していく。
 大幸薬品では、開発した低濃度二酸化塩素発生ゲルにおいて、居住空間で安全な濃度を長期間・持続的に発生させる独自の特許技術を有している。実験空間において、低濃度二酸化塩素ガスが、空間中の浮遊細菌やウイルスを2~3時間で99%以上除去できる 、さらには、付着のウイルスに対しても5時間で99%以上除去できることが確認されている。
 実使用環境下では、陸上自衛隊が実施した人疫学調査で、陸上自衛隊の隣接する2つの建物のうち、片方だけ全室に低濃度二酸化塩素発生ゲルを設置したところ、臭気以外の有害事象は見られず、成人のインフルエンザ様疾患の有意な減少が確認されている。
 例年、インフルエンザによる学級閉鎖、幼稚園等の閉鎖が後を絶たないため、教育機関では、幼稚園や小学校等を対象に二酸化塩素を用いた集団感染症予防対策の臨床研究を行い、乳幼児や小児のウイルス感染症(インフルエンザ等)による欠席日数の減少や集団感染による学級閉鎖の発生数の低下等を検証する。
 また、近年、医療空間で、未熟児や低出生体重児等を収容する新生児集中治療室(NICU)での感染症リスクも増加しているため、病院内の環境感染対策では、NICUで二酸化塩素による環境殺菌の施行により、ブドウ球菌等の繁殖抑制や薬剤耐性菌等による感染症対策への効果を検証する。同研究では、乳幼児・小児への使用における安全性に配慮し、関係機関と協力のもと進めていく。
 幅広い研究フィールドと小児医療での最新知見を有する順天堂大学と、二酸化塩素に関する特許技術と成果を持つ大幸薬品は、連携協力により、乳幼児・園児、児童に至るまで、安心して子育てができる社会の創造に寄与したいと考えている。
 なお、新型コロナウイルス感染症は、同共同研究講座の研究対象とはしていない。
 集団感染予防学講座の主な実施概要は、次の通り。
 ◆研究期間: 2020年1月~2022年12月(3年間)◆講座代表: 順天堂大学大学院医学研究科小児思春期発達・病態学清水俊明 教授◆予定教員:<順天堂大学> 清水俊明教授、久田研准教授ほか3名の医師<大幸薬品>柴田高社長/医学博士ほか11名の研究者

タイトルとURLをコピーしました