塩野義製薬手代木社長 が2020年度入社式で祝辞

 塩野義製薬の手代木功社長は1日、入社式で式辞を述べた。式辞要旨は、次の通り。

 110名の新入社員を迎え、無事に入社式を開催できたことを大変嬉しく思う。本日は、シオノギグループ一体となって成長を目指すということを強く意識してもらうために、これから共に歩んでいくグループ皆さん一同にお集まり頂いた。
 現在も多くの人々を不安に陥れているコロナウイルスに代表される、細菌やウイルス等による病気を総称して感染症と呼ぶのは、シオノギグループに入社を希望していただいた皆さんなら、もうご存知だと思う。
 私たちシオノギは、その感染症を強みとする、世界の中でも存在感のある製薬会社である。感染症は、いつ、どこで、どのくらいの患者さんが発生するか、予測するのがとても難しい病気であり、その分、販売が安定せず、多くの製薬企業は、その難しさ故に、感染症から撤退していった歴史がある。
 しかし、シオノギは、感染症は相手が細菌、ウイルスであり、新しい薬剤が出ればそれに対抗して耐性を作ることから永遠に続く戦いだと考え、世の中のためにも止めるべきではない、と考えてきた。今回のようなパンデミックを見ても、私たちシオノギは「必要とされる会社」であると確信している。
 ただ、世の中の動きは速く、いくら専門であると言っても常に自らを鍛え続けていかなければならない。また、5G、6G といったIT 技術の進化に加え、薬を創る方法論や、患者さんの診断や薬効の評価もAIを始めとする最新のテクノロジーにより大きな転換点を迎えている。
 シオノギの142年の伝統を受け継ぎながら、皆さんのような若い力、新しい発想で、次の時代のシオノギを作って頂きたいと期待している。今日から「社会人」である、というプロとしての自覚を持って頂きたいと思う。その皆さんに私から 3つのメッセージを送りたい。
 1つめは、「自分の頭で考え、判断する」習慣をしっかりと身に着けることである。情報化社会と言われて久しいが、世の中にある情報はすべてが正しいわけではない。皆さんには、出来る限り正確な一次情報を基に、自分の頭で考える努力をして頂き、かつそれに基づき正しい判断ができるような社会人になって頂きたいと思う。
 2つめは、自らの決定に責任を持つ、他人のせいにしない、ということである。これから皆さんは社会人として、また一人の人間として多くの決定をしていくでしょう。一時の感情で判断しない、そして最終的には「自分」であることをはっきり認識することである。
 3つめは、みなさんが社会人として成長し進化していくために、「コンプライアンスの順守」はこれから益々大切になっていくということである。昔の言い方をすると「お天道さまが全て見ている」、すなわち、常に透明で誰から見られても恥ずかしくない、と胸を張って言える行動、言動をすることである。
 最後になるがが、皆さんがシオノギの夢である「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という基本方針をグローバルに実現してくれることを期待して、私からの挨拶としたい。

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