塩野義製薬は27日、ロシュグループが、抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザについて、顆粒剤の製造販売承認申請および2つの新薬承認追加申請を受理したと発表した。今回FDAが受理したのは、経口懸濁用顆粒剤の製造販売承認申請と、「1歳以上12歳未満の合併症のない急性のインフルエンザウイルス感染症治療」および「1歳以上のインフルエンザウイルス感染症予防」を適応とした新薬承認追加申請。
FDAの審査終了目標日(PDUFA date)は本年11月23日。
今回の追加申請は、2つのP3試験(miniSTONE-2試験1、BLOCKSTONE試験2)の良好な結果に基づくもの。
また、新剤型である経口懸濁用顆粒製剤が製造販売承認を取得すれば、米国における1歳以上の小児患者、および嚥下困難な患者にとって、簡便な服薬が可能になり、同薬がこれらの患者にとってより良い治療選択肢となることが期待される。
同薬の開発および販売は、ロシュグループとの提携下で進めており、日本と台湾における販売は塩野義製薬が、それ以外の国ではロシュグループが行う。ゾフルーザは、米国では「12歳以上の合併症のない急性のインフルエンザウイルス感染症治療」を適応として、2018年10月25日に承認され、米国疾病予防管理センター(CDC)のガイドラインにおいて、12歳以上の合併症のない発症後48時間以内の急性インフルエンザウイルス感染患者に対する治療薬として推奨されている。
また、昨年10月16日には、同薬が抗インフルエンザウイルス薬として初めて「12歳以上の合併症を併発するリスクが高い患者の発症後48時間以内の急性のインフルエンザウイルス感染症治療」の追加適応について、FDAから承認されている。
塩野義製薬は、「引き続き同薬の有効性、安全性に関するデータの収集と解析に鋭意取り組み、適正使用に向けた情報提供活動に尽力する」としている。なお、同件が2020年3月期連結業績に与える影響は軽微である。