京都府薬剤師会は22日、同会館で令和元年度第15回臨時総会を開催し、2020年度事業計画および予算を承認した。事業計画推進においてトップマネジメント的役割を担う総合戦略会議について河上英治京都府薬会長は、「19年度は仕組み作りに留まったが、20年度は軌道に乗せて環境変化に迅速・的確に対応していく」考えを示した。
開会のあいさつで河上会長は、「新型コロナ感染が拡大する中で、本総会は時間を1時間に短縮し、できるだけリスクを下げての開催となった」と説明。昨今の医療機関におけるマスク不足にも言及し、「医療崩壊を招きかねない。薬局もその例外でない点を行政に訴求し、京都府、京都市からマスクを1万枚ずつ確保して、地域の薬剤師会に配布した」と報告した。その上で、「今後も継続的に会員薬局にマスクを配布するのが、私の使命と考えている」と訴えかけた。
2020年度事業計画作成に当たって京都府薬は、「薬機法の大改正、会館土地取得問題など、著しく変化する同会を取り巻く環境に対し迅速・的確に対応できるよう昨年度設置した総合戦略会議を軌道に乗せる」ことを基本的考えとしている。併せて、「事務局体制の見直しやSDGsに配慮した会運営の実施」も表明している。
「総合戦略会議」は、昨年6月に就任した河上新会長が、会運営の目玉として設置したもの。常務理事会メンバー、各委員会委員長(12委員会)、外部委員(京都大学赤池教授)で構成されており、総合的・中期的視点に立った会務推進の方向性、経営的視点から資源の重点配分等についての論議を展開する。
2020年度事業計画では、総合戦略会議の中に、「連携強化(入退院、外来時情報共有等)」、「薬局強化(かかりつけ薬剤師の推進等)」、「病院強化(タスクシフティングの推進等)」、「見える化(健康福祉行政への関与等)」「組織強化」の5つのプロジェクトを設置しており、これらのテーマを最重要事項として協議する。
河上氏は、「昨年8月25日に第1回目の総合戦略会議が開催され、各プロジェクト・各委員会の事業計画案について、外部委員の赤池先生と意見交換をした」と報告した。
加えて、「昨年末に事業の進捗状況の中間報告を行う予定であったが、日程の関係で実施できなかった」と述べ、「年度代わりの4月25日に2019年度の事業実施計画について意見交換したい」と明言。「19年度は仕組み作りに留まったが、20年度は開催頻度も含めて軌道に乗せていきたい」と抱負を述べた。
「会館問題の解消」については、「会館の現況について、耐震性はどうか、このまま行けば何年保持できるか、改装すればどう改善するかなど、専門業者による総合診断を実施している」と説明し、「結果が出た段階で関係者に情報提供し、結論を出す」方向性を示した。
主幹病院の院外処方箋FAXコーナーについては、本年11月末を以て、従来の業者が行ってきたFAX機器の保守・管理契約が終了する。河上会長は、「その後の新システムのリースやメンテナンスの試算は現段階では十分に判らない」とした上で、「FAXコーナーの継続については、該当する医療機関へのアンケート結果を見て判断したい」と述べた。
京都府薬の2020年度収支予算は、収入合計が2億1092万8000円、支出合計が2億6092万8000円。