シミックとデジタル医療の研究開発を行うサスメドは27日、リアルワールドデータ(RWD)などのビッグデータから短期間で有用な示唆を取得できる「AIを用いたビッグデータ簡易解析ソリューション」の提供を同日より開始したと発表した。
同簡易解析ソリューションは、シミックにより製薬企業が保有するRWDなどのビッグデータを簡易解析可能な程度にまでデータクレンジングを行い、そのデータをサスメドのAI自動分析システムを用いることで、従来と比較し迅速な簡易解析を可能にするサービス。
このソリューションによって、効率的な事前解析(Pre-Analysis)が可能となり、臨床試験の立ち上げ期間や学会発表に向けた解析期間の短縮などへの貢献が期待される。
近年、医療分野において、臨床現場で日々得られる患者単位のRWD活用への期待が高まっている。昨年4月には、日本製薬工業協会の医薬品評価委員会臨床評価部会において「既存の国内RWDを医薬品開発にどこまで活用できるか」が検討されるなど、国内のRWDを取り巻く環境はその活用拡大に向け大きな転換点を迎えている。
だが、信頼性が確保された方法で収集された臨床試験データとは異なり、多くの欠測や偏りを含むRWDの解析は、データクレンジングや解析にかかる膨大な時間と労力が大きな負担となるため、十分な活用が行われていないのが現状だ。
サスメドのAI自動分析システムは、医療分野におけるビッグデータの解析において膨大な時間を要する欠測補完やデータの不均衡調整等のデータ前処理、データの探索的可視化、さらには予測アルゴリズムの比較検証および解析結果のレポーティングなどを自動化するテクノロジーを実装しており、RWDの解析に高い親和性を示す。
シミックが提供するトータルオペレーションサービスと、医療分野におけるサスメド独自のテクノロジーの協業により、解析計画
や解析プログラム作成・実行期間を大幅に短縮し、迅速かつ効率的な臨床試験の実現に向け寄与していく。