ジェノミックヘルスは26日、今年のサンアントニオ乳がんシンポジウムで発表された二つの大規模集団ベース試験の新たなアウトカムデータを報告。これらの実臨床エビデンスにより、オンコタイプDX乳がん再発スコア検査の若年リンパ節転移陰性または陽性早期乳がん患者における化学療法の指針としての有用性が改めて示された発表した。
今回のアウトカムデータは、臨床現場におけるオンコタイプDX乳がん再発スコア検査の使用が、史上最大規模の乳がん治療試験であるTAILORx試験を含む過去の臨床バリデーション試験と一貫していることが確認された。
過去の臨床バリデーションでは、再発スコアTM結果が0から25の範囲に8割もの患者が含まれるリンパ節転移陰性の40歳以下の女性4700人以上を含む全米がんデータベースの解析において、再発スコア結果の分布と既存の臨床エビデンスが一致した。また、再発スコア結果が高いほど、5年全生存率が不良となる傾向が認められた。
米国国立がん研究所(NCI)のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)レジストリの解析は、50歳以下のリンパ節転移陽性(陽性リンパ節3個まで)患者におけるオンコタイプDXTM検査の有用性に関する実臨床エビデンスを提供している。2500人を超える症例の解析は、再発スコア結果と乳がん特異的死亡率(BCSM)との有意な相関を示しており、再発スコア結果が0~25で化学療法の使用歴なし、または不明と報告された若年患者の5年BCSMは2%未満であった。
新たに公表された実臨床では、治療方針決定の指針として再発スコア結果を使用した大規模な患者コホートから、遠隔再発リスクを含む初めての10年アウトカムが報告された。
イスラエル最大の健康保険機関であるクラリット健康保険と共同で行われたこの解析では、TAILORx試験により確立された再発スコア結果のカットポイントを適用して、1300人を超えるリンパ節転移陰性乳がん患者の医療記録が検証された。その結果、化学療法の使用が再発スコア結果と合致した。さらに、ホルモン療法単独で治療された患者の大多数を占める再発スコア結果が25以下の患者は、10年遠隔再発率が低く、転帰が良好であることが示された。
再発スコア結果が11~25の患者群については、化学療法を受けた患者とホルモン療法単独で治療された患者の間で、10年遠隔再発率に統計的有意差は認められなかった。
これらの結果は、大規模なTAILORxランダム化臨床試験の主要所見と一致している。エグザクトサイエンス社の最高医学責任者のスティーブン・シャック医師は、「若年患者の新たな解析から得られた追加的な洞察は、比較的若い女性における再発スコア結果の有用性を支持し、それをさらに裏付けるものとなっている」と解説する。
TAILORx試験により確立されたパラダイムは、過去18か月間に更新された診療ガイドラインに好影響を与え、オンコタイプDX検査の世界的な費用償還と標準的な検査使用のエビデンスとされてきた。今回公表された大規模集団ベース試験の新たなアウトカムデータは、それをさらに裏付けるものとして注目される。