武田薬品は20日、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」について、国内で「CD30 陽性末梢性 T 細胞リンパ腫」に対する効能効果および用法用量 、ならびに小児の「再発または難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫および末梢性T 細胞リンパ腫 」に対する用法用量に関する製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表した。
CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫の 効能追加承認取得は、主として、P3相試験(ECHELON2試験)結果に基づくもの。また、小児の再発または難治性の CD30陽性ホジキンリンパ腫および末梢性T細胞リンパ腫の用法用量承認取得は、医師主導試験(BV-HLALCL試験 [JMACCT ID:JMA- IIA00229])の結果に基づき評価された。同医師主導試験は、主として日本医師会による研究事業支援を受け、名古屋医療センター臨床研究センターが中心となって実施された。
アドセトリスは、厚生労働省より、2012年3月に「CD30陽性のホジキンリンパ腫および未分化細胞リンパ腫」を対象として希少疾病用医薬品に指定され、2014年4月に日本で発売されている。
さらに、本年3 月4日付で、厚生労働省より「CD30 陽性の末梢性T細胞リンパ腫」を対象として希少疾病用医薬品に指定されている。
ECHELON2試験を担当した伊豆津宏二氏(国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科長)は、「末梢性T 細胞リンパ腫はアンメットニーズの高い疾患であるが、今回のアドセトリスの追加適応により多くの患者の治療向上が期待される」と明言。
さらに、「今後、末梢性T細胞リンパ腫の患者では、治療選択のために初発時・再発時に病理診断でのCD30の評価が必要となってくる。また、安全性の観点で添付文書の内容に沿った適正な使用が必要となる」とコメントしている。 一方、医師主導治験(BV HLALCL試験)を担当した堀部敬三氏(国立病院機構名古屋医療センター上席研究員)は、「抗体薬物複合体であるアドセトリスは通常の抗がん薬に比べて忍容性が高く、奏効率も高いため、再発難治例の治療およびQOLの向上が期待される」とし、「そのためには、定められた用法用量に従って適切に治療を行うことが重要である」と提言している。