武田薬品は9日、アミロイドーシス患者を対象としたニンラーロのP3試験TOURMALINE-AL1の試験結果について発表した。同試験結果において、その他の評価項目である主要臓器の無増悪生存期間(PFS)、血液学的PFS、治療成功期間、後続治療を開始するまでの期間は、ニンラーロ+デキサメタゾン併用群が治験医選択療法群と比較して、数値上は高い結果となった。
この試験結果は、7日に米国フロリダ州オーランドで開催された第61回米国血液学会(ASH)年次総会のオーラルセッションで報告されたもの。
TOURMALINE-AL1は、再発又は難治性の全身性軽鎖(AL)アミロイドーシス患者を対象に、ニンラーロとデキサメタゾンとの併用効果を検討したランダム化P3試験。
TOURMALINE-AL1は、本年6月に公表されたとおり、血液学的奏効率の有意な改善という、2つのうち最初の主要評価項目を満たさなかった。
判定委員会(Adjudication Committee: AC)の評価による血液学的奏効率は、ニンラーロ+デキサメタゾン併用群では53%で、治験医選択療法群では51%であった(オッズ比1.10[95%CI 0.60-2.01]、p=0.762)。
2番目の主要評価項目である主要臓器の状態悪化または死亡の発生率は、2年時点では未成熟であった。その他の評価項目である主要臓器の無増悪生存期間(PFS)、血液学的PFS、治療成功期間、後続治療を開始するまでの期間は、ニンラーロ+デキサメタゾン併用群が治験医選択療法群と比較して、数値上は高い結果となった。
同社は、研究者が同疾患のさらなる探索に役立てられるようにTOURMALINE-AL1試験のデータを利用できるようにする。なお、ニンラーロは、ALアミロイドーシスの治療薬として承認されていない。