アッヴィは、本年10月に20~60歳未満の働く一般男女518名(男性:261名、女性:257名)を対象に、「白血病に関するイメージ・認識調査」を実施した。
その結果、約9割が「白血病は不治の病」と認識し、「医師から告げられる余命は5年未満」との予想が8割半ばを占めた。
また、白血病を不治の病とイメージしている人の半数以上が「映画やテレビドラマによる影響」と回答、メディアが白血病のイメージ形成に大きな影響を与えていることが判った。
「白血病が最も多く発症すると思う年代」では、「30歳未満」と約6割が回答、過半数が「白血病は若者の病気」という認識を持っていた。
白血病と診断された場合、「職場の同僚に伝えることをためらう」と思う人は7割以上で、診断後に同じ環境で仕事を続けることは困難という強い印象が浮き彫りになった。
調査結果の詳細は次の通り。
■白血病は不治の病?
白血病に対して「不治の病」というイメージを持っているか?という質問に23.4%が「とてもある」、65.8%が「ややある」と回答し、合わせて約9割(89.2%)に「白血病は不治の病」というイメージがあることが判った。
白血病が最も発症する年齢層のイメージで最も多かった回答は、「10代~20代(55.6%)」で、「10代未満(4.2%)」と回答した人を合わせると約6割(59.8%)を占め、白血病は若い人が罹患するイメージが強いことが示唆された。
また、「医師から告げられる余命について訊いたところ、「3カ月未満(0.6%)」、「3カ月~6カ月未満(7.1)%」、「6カ月~1年未満(25.7%)」、「1~3年未満(33.6%)」、「3~5年未満(17.8%)」と思うと回答した人を合わせて約8割半ば(84.8%)の人が、白血病と診断されてからの余命は5年未満と予想していることが浮き彫りになった。
■「白血病は不治の病」というイメージを抱いている人に対して、「そうしたイメージはどこからきているのか」と訊いたところ、最も多かった回答は「映画やテレビドラマ(51.7%)」で、「白血病が不治の病」というイメージは映画やテレビの影響が大きいことが明らかになった。
また回答者を年代別で見ると、男女とも20代は他の年代に比べて「テレビのドキュメンタリー・健康番組を見て」と回答した人の割合が高いことが分かった。
■「白血病と診断されたことを職場の人に伝えることに抵抗があると思いますか?」との問いに、「とても抵抗がある(29.7%)」、「まあまあ抵抗がある(42.5%)」と回答した人は7割以上となった。
その理由は回答が多い順に「同僚から不幸だと思われたくない(46.5%)」、「辞めさせられるから(18.4%)」、「仕事が減る/減給される(14.7%)」であった。
■白血病の治療に対するイメージでは、「治るまで入院を続けなければいけない(31.9%)」、「治るまで入退院を繰り返し、いつまで続くか分からない(60.2%)」と回答した人が9割以上に上る。また、治療に対するイメージで最も多い回答は「髪の毛が抜ける(71.4%)」、続いて「外出ができなくなる」が6割以上(60.6%)で、「白血病の治療には入院が伴い、外出が困難になる」というイメージをもっている人が多いことが示唆された。
同調査結果について、 橋本明子氏(血液情報広場 つばさ・理事長)は、「今回の調査から、映画やテレビの影響もあり、『白血病は不治の病』、『診断されてからの余命は5年未満』という印象を多くの方が持たれていることが分かった」と指摘。
その上で、「しかしながら、2006~2008年に白血病と診断された人の5年生存率は男性37.8%、女性41.3%で、今だからこそ『白血病を誤解していませんか?』と問える時がきた」と強調した。
一方、白血病を含むがんに罹る日本人の割合が2人に1人といわれる時代に、『白血病の罹患を職場の人に伝えるのをためらうと思う』と回答した人の割合は7割を占める。
この回答結果に対しては、「近年は、白血病を取り巻く環境が大きく変わってきており、通院により白血病の治療を続けながら、仕事を両立している患者も増えている」と紹介。
さらに、「その変化を多くの方に知っていただき、白血病患者やその家族が安心して治療と生活を両立していける社会になっていくことを願っている」と話す。
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