大日本住友製薬の野村博社長は28日、2019年度中間決算説明会で会見し、ポストラツーダについて、「10月末のロイバントとの戦略提携でRelugolix(子宮筋腫・子宮内膜症)とVibegron(過活動膀胱)を入手し、ラツーダの独占期間切れ減収を支えたい」と明言。
その上で、「自社開発中のSEP-363856(統合失調症)、同剤に続く新薬研究に繋げていく」考えを示した。また、7月に開示した「サイナタ社の買収提案取り下げ」にも言及。「米国で再生医療を行うに当たって、自社だけでなく会社買収の手法もある」と説明し、「今後も提携できる会社があれば探索したい」と述べた。
ポストラツーダについては、当初、「2022年度に抗がん剤のナパブカシンがある程度成長して、2023年2月のラツーダの独占期間切れを補う」構想を描いていた。
だが、膵がんの開発が中止となり、現在開発中の結腸直腸癌が成功しても「ポストラツーダの成長ドライバーになるのは厳しい状況となった」
そこで、今般のロイバントとの戦略的提携により、「RelugolixおよびVibegronを入手してラツーダの独占期間切れによる減収を支えて、米国で2023年度に発売予定のSEP-363856(統合失調症)や、同剤に続く新薬研究開発に繋げていく」方向性が示された。
野村氏は、「婦人科、泌尿器科領域をポストラツーダとしているが、あくまでもCNS、がん、再生細胞薬がファーストインクラスの重点領域である」と断言し、「婦人科、泌尿器科領域のベストインクラスの薬剤を導入して、3領域のファーストインクラスの薬剤開発に繋げる方針」を改めて強調した。
ノバルティスとの糖尿病薬「エクア」、「エクメット」のコ・プロモーションについては、「糖尿病治療薬がますます充実していくことで、患者さんに対する情報提供が多面的にできるようになった」とシナジー効果を訴求。「課題解決型MRを育成して、医療現場に役立てていく」考えを示した。
さらに、「2020年度から糖尿病領域でNO1になる」見通しを明かし、「売上だけではなく、どれだけ医療現場で役立つ情報の提供が大きなポイントになる」と強調した。