難治性・原因不明慢性咳嗽治療剤 P2試験で好結果     塩野義製薬

 塩野義製薬は2日、同社が創製した難治性・原因不明慢性咳嗽治療剤候補S-600918のP2試験で良好な結果を得たと発表した。
 同結果は、9月28日~2日までスペイン マドリードで開催された欧州呼吸器学会(ERS 2019)で発表されたもの。
 S-600918は、咳反射に関与するP2X3受容体を選択的にブロックすることで難治性・原因不明慢性咳嗽の咳症状の改善が期待される新規化合物。
 S-600918のP22試験では、6カ月以上咳症状が継続する難治性・原因不明慢性咳嗽患者31名を対象に、多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検クロスオーバー試験として実施し、1日1回2週間投与における有効性及び安全性を評価した。
 主要評価項目である「日中時間帯における1時間あたりの咳回数のベースラインからの変化率」は、S-600918投与時で−54.1%、プラセボ投与時で−33.0%で、S-600918投与によるプラセボ調整後のベースラインからの変化率は−31.6%(p=0.0546)であった。
 また、副次評価項目である、S-600918投与時の24時間における1時間当たりの咳回数のプラセボ調整後のベースラインからの変化率は−30.9%で、統計学的に有意な減少が認められた(p=0.0386)。
 さらに、咳特異的なQOL質問票であるレスター咳質問票(LCQ)スコアのベースラインからの変化量においても、プラセボ投与時と比較して有意な改善を認めた(p=0.0415)。
 有害事象の発現率は、S-600918投与時とプラセボ投与時でそれぞれ35.5%と29.0%で、有意な差を認められなかった。類薬で見られる有害事象の味覚異常については、S-600918投与時の発現頻度は6.5%であった。治験薬との因果関係ありと判断された有害事象は全て軽度で処置なく回復し、良好な安全性と忍容性が確認された。
 今回の良好な結果を基に、現在後期P2試験を準備している。

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