10歳若返る万博の企画内容をディスカッション 日本メンズヘルス医学会

左から髙島氏、堀江氏、長谷川氏、川田氏、森下氏

 7月13・14日の両日、大阪市内で開かれた第19回日本メンズヘルス医学会で、「10歳若返る万博」をテーマとしたシンポジウムが開催され、万博パビリオンの具体的内容について討論を展開。「自宅に居ながら世界中が参加できる仕掛け」、「肌、脳、腸、精神年齢など若返りの項目でパビリオンを選択できる」、「日本を含めた世界のスーパーフードの試食」など、万博テーマに相応しい内容にするための様々な意見や提案が飛び交った。
 同シンポジウムは、MCにフリーアナウンサーの川田裕美氏を迎えて、森下竜一氏(大阪大学教授)、長谷川幸洋氏(フリージャーナリスト)、堀江重郎氏(順天堂大学)、髙島正広氏(髙島クリニック院長)が、万博パビリオンの内容についてそれぞれの意見を交換するというもの。
 冒頭、髙島氏から、「大阪万博開催は、松井知事(当時)と森下先生と私が、居酒屋でビールを飲んでいる時に、森下先生から提案されたことがそもそもの発端になっている」という秘話が披露された。
 森下氏も、「東京オリンピックが終わると不況になるので、オリンピックから5年後の大阪万博は絶対に必要だと考えた。2025年には、名古屋までリニアモーターカーが開通するので、大阪が萎むのを防ぐ狙いもあった」と振り返る。
 自宅に居ながら世界中が参加できる仕掛けは、「世界中の人が繋がる」(森下氏)ことを目的としたもので、ロンドンオリンピックでは60億人が繋がった。大阪万博でも、「同数を目指す」考えが紹介された。
 シンポジウムでは、そのための具体的施策として、「ダンス系エクササイズのズンバなど、世界の特徴的な運動をみんなでやる」(川田氏)などの意見が出された。
 肌、脳、腸、精神年齢などの若返りでは、「血管年齢、肌年齢はすぐに判るので、パビリオン内で測定して、その場で適したサプリメントを1週間分程度プレゼントする」などの提案があった。
 また、長谷川氏は、まず、「パビリオンに入るときに入場者が何歳に見えるかを自己申告してもらって、回っている間に実際の見た目と自分の申告とのギャップが判るようにする」と提案。
 同時に、「パビリオン内には、入場者がこう成りたいと描く理想の姿(見本)があり、そこに到達するための答えを得られる仕組みが興味を引くのではないか」とのアイデアを示し、「心の健康保持による体の内側からの若返りも忘れてはならない。そのためには、是非、世界の働き方を紹介してほしい」と強調した。
 堀江氏も、「10歳若返るには、色々な方法がある。生き甲斐も重要な要素で、意欲をもって物事に取り組んでいる時や、間違ったことの嫌いな人は、テストステロンが高く、医学的にも抗加齢に繋がる」と科学的な裏付けをもとに長谷川氏の提案を後押した。
 日本を含めた世界のスーパーフード試食では、全員が「おいしいものは人を集める」で意見が一致し、「認知機能を維持するたこ焼き」、「中性脂肪を下げる神戸牛ステーキ」など、具体的なレシピも提案された。
 このほか、髙島氏から「世の中で氾濫している色々な健康知識がどこまで正しいかを、万博で啓発するのも重要と思われる」との意見が出された。
 大阪万博開催には、2023年にパビリオン建設をスタートする必要があり、遅くても来年秋までに計画書提出が迫られている。森下氏は最後に、「万博準備委員会のサイトを立ち上げるので、パビリオンの内容や資金集めの提案も含めて、たくさんのアイデアを寄せてほしい」と呼びかけた。

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