特殊ペプチド原薬の研究開発・受託製造等を行うペプチスターは10日、大阪府摂津市の塩野義製薬工場内に開設した本社工場の竣工式を開催した。
ペプチスターは、2017年9月1日、東大発のベンチャー企業のペプチドリーム、塩野義製薬、積水化学の共同出資会社として、低分子と抗体の中間となる中分子の特殊ペプチド原薬製造を目的に設立された。中分子医薬は、副作用が少なく、細胞内の標的も狙え、なおかつ安いのが特徴で、画期的な次世代医薬品として期待されている。
新工場の概要は、土地約2万3000㎡、建物約1万1000㎡で、製造棟1(4階建)と、製造棟2(5階建)で構成されている。生産能力は、製造棟1で特殊ペプチド原薬20㎏/年以上(2ライン)、製造棟2で同原薬80㎏/年以上(1ライン)を誇る。
特殊ペプチド原薬80㎏凍結乾燥機は世界最大容量、100㎏/年以上の生産能力は国内最大規模を誇る。今後は、8月末に模擬運転を開始し、10月1日より本格稼働する。
一方、本社工場横に開設された本社研究棟では、ペプチドのプロセス検討や原薬の品質管理などを実施しており、6月初旬より数10㎎~数100㎎規模の製品および研究用品の生産も開始している。
取材に応じた亀山豊ぺプチスター社長は、「これまで製造が非常に困難であった特殊ペプチド原薬を世に送り出すことで、医薬品パイプラインの増幅に貢献できる」と強調。
その上で、「スタートしたばかりで、今後どのような形で成長させるかが大きな課題となっているが、現工場のキャパを満杯にして、順次拡大していきたい」と抱負を述べた。
また、竣工記念式典では、吉村洋文大阪府知事からの「画期的な次世代医薬品として注目される特殊ペプチド原薬が大阪から世界の市場に供給される。ペプチスターが、わが国のリーディングカンパニーとして大きく飛躍されることを期待したい」との祝辞が代読された。