大日本住友製薬は9日、同社と国立国際医療研究センター(NCGM)がこの程、共同で薬剤感受性サーベイランス研究を開始したと発表した。共同研究は、ベトナムにおける抗菌薬適正使用と薬剤耐性(AMR)対策貢献を目的としたもの。
近年、薬剤耐性の問題は国際的に取り組むべき社会課題として認識されている。特にベトナムでは、 緑膿菌やアシネトバクター属を代表とする各種グラム陰性桿菌の抗菌薬に対する耐性率が非常に高いとの報告があり、問題となっている。
こうした中、薬剤感受性サーベイランス研究において両者は、ベトナム国内の医療機関の協力の下に新鮮臨床分離株を収集し、分離された各種グラム陰性細菌の in vitro での各種抗菌薬に対する感受性を調査する。
同研究は、大日本住友製薬およびNCGMの薬剤感受性サーベイランスの豊富な経験と、NCGMとベトナムとの医療・医学における長年の協力関係を活かし、公益性を重視した国際的研究実施体制を通じて展開される。
研究のマネジメントは、高いセキュリティーレベルを担保したクラウドシステムを活用。効率的な文書管理や中央・リモートモニタリングなどを可能とする運営プラットフォームが構築されている。
本年5月には、ベトナム・ハノイ市で、本研究に関連する日本およびベトナムのステークホルダーが参集し、キックオフセレモニーが開催された。