中国エディンググループとライセンス契約締結      塩野義製薬

 塩野義製薬は24日、トロンボポエチン受容体作動薬ルストロンボパグ(日本製品名ムルプレタ)をエディングファーム(本社:中華人民共和国上海市)に、また、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)/上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤エパーティニブをエディング社のグループ企業であるEOCファーマ(本社:中華人民共和国上海市)に、導出するライセンス契約を締結したと発表した。
中国における成人慢性肝疾患患者数は約1360万人で、待機的な観血的手技を予定する慢性肝疾患患者数も少なくない。
 その一方で、日米欧に比べて献血率が低く、加えて医療水準の向上により血液需要が増加し、慢性的に輸血用の血液が不足している。加えて、確保した血液は輸血における感染のリスクが高いと言われている。  ルストロンボパグは、塩野義製薬が創製した低分子トロンボポエチン受容体作動薬で、待機的な観血的手技を予定する慢性肝疾患患者の施術の際の血小板輸血を回避できる代替療法として、既に日米で承認発売されている。
 他方、HER2陽性乳がん治療は、HER2抗体の普及により生存期間が延長する反面、抗体の効きにくい脳転移の発症率も相対的に高くなっている。脳転移巣に対して明確な有効性を示す薬剤は上市されておらず、脳転移に有効な乳がん治療薬が望まれている。エパーティニブは、塩野義製薬が創製したHER2/ EGFR阻害剤で、既存のHER2分子に対する標的治療薬施行歴のある乳がん患者に対する良好な抗腫瘍効果に加えて、非臨床試験における良好な脳移行性が確認されており、脳転移巣に対する抗腫瘍効果が期待される。
 今回のライセンス契約締結で塩野義製薬は、ライセンス契約締結に伴う一時金および製品上市後の経過時期に応じたマイルストンなどを受領する予定。

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