第3世代HIVインテグラーゼ阻害剤の導出でヴィーブ社とライセンス契約締結  塩野義製薬

 塩野義製薬は28日、超長時間作用型(3ヶ月以上に1回投与)の抗HIV薬としての開発が期待される第3世代インテグラーゼ阻害薬S-365598について、導出に関するライセンス契約をヴィーブ社(英国)と締結したと発表した。
 ヴィーブ社は、塩野義製薬とGSK社およびファイザー社の合弁会社。同契約に基づき、塩野義製薬はヴィーブ社から2000万ポンドの契約一時金を受領し、開発の進展に応じたマイルストンとして、1500万ポンドを受領する。
 ロイヤリティは、ヴィーブ社に導出している既存のインテグラーゼ阻害剤と同一の条件である。
 また、塩野義製薬は、研究開発費用の一部を負担するが、年間の上限額が定められている。
 S-365598は、これまでのデータから優れた耐性バリアを示し、ドルテグラビルやカボテグラビルとは異なる耐性プロファイルを有することが示されている。
 さらに、長い半減期から低用量で3か月以上の間隔で1回の投与によって治療可能な超長時間作用型薬剤として開発が期待でき、現在前臨床試験が進行中で、2023年までにヒトへ初めて投与を行う試験を開始する予定である。 
 なお、同件が2022年3月期の連結業績予想に与える影響は軽微である。

◆ヴィーブ社Head of Research & DevelopmentのKimberly Smith氏のコメント
 シオノギとの20年間にも渡るコラボレーションは非常に成功しており、このコラボレーションにより過去10年で最も重要な2つの抗HIV薬を産み出したと言っても過言ではない。
 ドルテグラビルは現在、世界中で1700万人が服用しており、カボテグラビルは世界初の長時間作用型レジメンとして開発された。
 シオノギからの3番目のインテグラーゼ阻害薬の導入に関する本日の発表により、このコラボレーションが継続され、S-365598が2030年以降のヴィーブ社のパイプラインを繋ぐことを期待している。
◆塩野義製薬上席執行役員経営戦略本部長でヴィーブ社取締役会役員のJohn Keller氏のコメント
 多くのHIVとともに生きる人々やHIVに苦しんでいる人々は、HIVであることを日々思い起こされること、HIVであることを知られること、服薬アドヒアランスの維持など、毎日の経口療法に懸念を感じている。
 そのため、長時間作用型の抗HIV薬は、これらの患者の困りごとの解決に大きく貢献することが期待される。塩野義製薬は、HIV治療に対するこの革新的なアプローチをヴィーブ社と連携してさらに進展させることを楽しみにしている。

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