サフネロー 日本で全身性エリテマトーデスでの承認取得  アストラゼネカ

 アストラゼネカは28日、サフネローについて、27 日付で既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス (SLE)の 成人患者の治療薬として日本で承認を取得したと発表した。
 同承認は、2つのTULIP P3相試験とP2相MUSE試験を含むサフネロー臨床開発プログラムの有効性および安全性データに基くもの。
 これらの試験では、標準治療に加えて、サフネローを投与した群の患者は、標準治療にプラセボを加えた群に比べ、皮膚および関節を含む臓器系全体にわたる疾患活動性の低下を示すとともに、経口ステロイド剤(OCS)使用量の持続的な減量を示した。
 TULIP-2 試験に登録された日本人患者のサブ解析も、承認申請を裏付ける根拠となった。
 この承認は、日本におけるI型インターフェロン(I 型IFN)受容体拮抗薬の初めての薬事承認である。I 型IFNは、ループスの病態生理において中心的な役割を果たし、I型IFNシグナルの亢進は疾患活動性の増加および重症度の増大に相関している。
 SLEは、あらゆる臓器に影響を及ぼす複雑な自己免疫疾患で、患者は多くの場合、不十分な疾患コントロール、長期的な臓器障害および健康関連のQOL低下を経験する。
 患者の費用負担の低減に貢献するプログラムを通じて、SLE は日本において難治性疾患に指定されている。日本において約6 万人のSLE患者が登録されており、その大半は45歳までに診断された女性である。
 サフネローは、米国で中等症から重症SLEの適応で承認されており、EUでは薬事審査中である。皮下投与を用いたSLEを対象とするP3相試験が既に開始され、複数の新たなP3試験が、ループス腎炎、皮膚エリテマトーデスおよび筋炎を対象として計画中である。

◆産業医科大学医学部第1内科学講座教授でTULIP-2試験の治験担当医師の田中良哉氏のコメント
 他のリウマチ性疾患に比べて、SLEの治療法は限られており、日本および世界中の患者さんのアウトカムは依然として不良のままである。サフネローに関する日本における臨床試験での経験を通じ、我々は同剤の顕著な有効性および患者さんのアウトカムの改善を見て取ることができた。

◆慶応義塾大学名誉教授でTULIP-2試験治験担当医師の竹内勤氏のコメント
 私たちのSLE治療の目的は、疾患活動性を低下させ、患者さんのQOLを改善し、疾患自体、または特にステロイド剤のような治療薬による、臓器障害を予防することにある。
 だが、これらの目的を達成するためには革新的な治療が必要である。アニフロルマブの臨床開発プログラムは、ステロイド剤の使用を抑制しつつ、あらゆる臓器系の疾患活動性を低下させるというSLE治療において、I型インターフェロンの阻害は有望な新たな治療戦略であるという有力な根拠をもたらした。

◆バイオファーマ研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントのMene Pangalos氏のコメント
 サフネローは、日本で承認を取得した最初かつ唯一のI 型インターフェロン受容体拮抗薬であり、治療が困難で、多くの場合患者さんを消耗させる複雑かつ不均一な疾患であるSLEの治療における大きな進歩を意味する。
 今後、SLE を患う日本の患者さんに、この薬をできるだけ早くお届けできるよう取り組んでいく。

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