ノババックス社・モデルナ社の新型コロナワクチン国内治験が順調に推移  武田薬品

 武田薬品は24日、開発中のノババックス社の新型コロナワクチン「TAK-019」について、日本人を対象に安全性および免疫原性を評価する国内P1/2試験を開始し、最初の被験者に治験薬の接種が行われたと発表した。また、今月初めに、モデルナ社の新型コロナワクチン「TAK-919」の日本人を対象とした安全性および免疫原性を評価する国内P1/2 試験で被験者の組み入れを完了したことも併せて公表した。

 ワクチンの免疫原性および安全性を評価する各P1/2試験では、日本人の成人被験者200例を組み入れ、2回目のワクチン接種後12ヵ月間の追跡調査を実施する。両試験の成績は、2021年中に順次得られ、日本における製造販売承認申請の根拠となる見込み。こうしたスケジュールの下、武田薬品は、日本政府の支援により、ノババックス社の遺伝子組換えワクチンの製造、モデルナ社のmRNAワクチンの供給を行い、2つのワクチン提供に向けての取り組みを推進する。
 武田薬品とノババックス社および、同社とモデルナ社との提携による新型コロナワクチンの迅速かつ安定的供給への取り組みとしては、ノババックス社からのワクチン製造技術の移転により、2億5000万回分以上のTAK-019の生産能力を有し、開発、供給を担う。
 また、モデルナ社および厚生労働省との三者間の合意として、5000万回接種分の TAK-919を輸入し、日本において供給する。
 TAK-919の国内臨床試験の成績は2021年前半に、TAK-019の国内臨床試験の成績は 2021年後半に得られる見込み。なお、試験成績は、製造販売承認申請手続きの一環として、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出される。
 承認取得後、TAK-919は2021年前半、TAK-019 は2021年後半の供給開始を目指す。
 Rajeev Venkayya武田薬品Global Vaccine Business Unit Presidentは、「パンデミックの初期段階で、武田薬品はパートナー企業と連携をして、日本において新型コロナワクチンを提供するために、当社の豊富なワクチンの経験と能力を活かすことを決定した」と強調。
 その上で、「モデルナ 社ならびにノババックス社のワクチン候補のP3試験で素晴らしい有効性の成績が確認されており、パンデミックの終息に向けて、両社ならびに日本政府と連携して取り組めることを嬉しく思う」とコメントしている。

TAK-919およびTAK-019 の国内臨床試験の概要は次の通り。

 ◆TAK-919=日本において実施中のプラセボ対照P1/2試験では、TAK-919を28日間の間隔をあけて 2 回接種した際の安全性および免疫原性を評価する。
 各被験者は、2回の治験薬接種において、プラセボ群または TAK-919 0.5mL群のいずれかに割り付けられた。20歳以上の日本人成人200例の試験への被験者組み入れは、2021年2月3 日に完了した。被験者は2 回目の治験薬接種後、12 ヵ月の追跡調査を受ける。

 ◆TAK-019=日本において実施中のプラセボ対照P1/2相試験では、TAK-019 を21日間の間隔をあけて2回接種した際の安全性および免疫原性を評価するもの。
 2021年2月24日、日本におけるTAK-019の臨床試験において、最初の被験者に治験薬の接種が行われた。20歳以上の日本人成人200例を被験者として登録する予定。各被験者は、2 回の治験薬接種において、プラセボ群またはTAK-019 0.5 mL 群のいずれかに割り付けられる。
 被験者は、2回目の治験薬接種後、12ヵ月の追跡調査を受ける。

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